研究課題/領域番号 |
16K12083
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
森 莉那 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (90620063)
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研究分担者 |
高橋 圭子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (50351151)
片山 清和 四日市大学, 環境情報学部, 准教授 (90387928)
室谷 健太 久留米大学, 付置研究所, 准教授 (10626443)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 外来がん患者 / ICT / セルフマネジメント |
研究実績の概要 |
前年度の課題であった情緒面への働きかけを考慮した機能について,喜怒哀楽のアイコンを用いてグラフ化することで対象者がアクセスした日の気分を表すことができる機能として設定した。また,web版ソフトウェアのモニタリング項目やWebページのインターフェースデザインについて繰り返し検討した。 Webページのデザインやモニタリング項目は,日々のセルフモニタリングを含めた療養行動の継続に密接に関係する。ソフトウェアに取り入れるコンテンツやモニタリング項目については検討を行い概ね決定したが,これらをどのようにページに組み込むかということの検討が必要であった。 Webページとユーザーとを繋ぐユーザーインターフェースにおいて,ユーザーはそのインターフェースで何ができるのか,何をすればいいのかといったことがひと目でわかる機能になっていることが重要とされる。ユーザーインターフェースは使いやすさに影響し,これはソフトウェアをスムーズに活用できるかの可否に大きく影響するとされる。その活用の容易性は療養行動の継続に大きく影響すると考えられるため,本ソフトウェアが目指す「大腸がん患者の治療と社会生活の両立のためのセルフマネジメントの獲得」を達成するための効果的なユーザーインターフェースデザインを検討することが重要である。また,専門家の意見により,1回のモニタリング時間の短縮化やモチベーションに働きかけられる目標の示し方,アクセスすることで得られる内的報酬を与える工夫などについて取り組む必要があった。 これらのことから,ユーザーが機能を見つけやすくするためのデザインの工夫や,物理的な動作や精神的な負担などを軽減するための工夫,Webページに日々アクセスしたくなるような仕掛けづくりなど,セルフモニタリングを中心とした療養行動の継続に繋がるようなWebページのデザインや構成について研究者間で検討を重ねてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ソフトウェアに取り入れるコンテンツについては概ね決定することができたが,webページのインターフェースデザインについての検討には,いかに「わかりやすく使いやすいか」を追求する必要があり,予定していた以上に時間を要している。また以下の点について検討を重ねている。 (1)モニタリングに要する時間を7~10分以内にまとめること (2)目標の示し方および内的報酬の示し方
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今後の研究の推進方策 |
本研究で目指しているソフトウェアは,生活の中でのセルフモニタリングを取り入れやすく,自身の病気との新たな関わり方を検討したものである。具体的には,“生活の中に溶け込んだ病気の管理”の存在を示し,強制的な自己管理を意識したり,特別な操作をしたりすることなく,誰もが自然に利活用できるような自己管理ソフトウェアであり,そのソフトウェアの運用可能性の検討である。 最終年度である今年度はWeb版ソフトウェアを完成させ,ソフトウェアの運用可能性の検討を目的として2週間のモニタリングを実施する。運用可能性の評価は,モニタリング後のユーザビリティテストを主として,ソフトウェアの活用状況,使用してみた感想等から総合的に検討する。これらの研究結果については,遠隔医療の関連学会や看護系学会等で発表をしていく予定である。 今後、長期的にがんとともに生活していく人々の間で広くICT機器を活用したサービスが利用されることにより、がん患者の社会参加や就業が促進されることが望まれる。また、そのためには、本研究が多面的で具体的な課題について多方面から検討し,常にVersion upを図っていくことが求められる。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度web版ソフトウェアを完成させ,ソフトウェアを用いたモニタリングを実施する予定であったが,専門家の意見をもとに修正を加えたり,効果的なユーザーインターフェースデザインの検討に時間を要しているため,調査に取りかかることができておらず,調査に係る費用が使用できなかった。 今後は,研究対象者へのwebページのオリエンテーションや利用登録時に使用するPC機器が必要となるため,これらについて使用していく予定である。
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