研究課題/領域番号 |
16K12084
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研究機関 | 天理医療大学 |
研究代表者 |
山中 政子 天理医療大学, 医療学部, 准教授 (80744416)
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研究分担者 |
鈴木 久美 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (60226503)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | がん疼痛 / 通院患者 / セルフマネジメント / 看護介入プログラム / がん看護 |
研究実績の概要 |
令和元年度は①外来におけるオピオイド鎮痛薬に関する実態調査、②開発した「通院中の成人患者のがん疼痛セルフマネジメントを促進する看護介入プログラム」の臨床適用を実施した。 ①外来看護師406名(がん診療連携拠点病院157名、その他病院249名)を対象にインターネット調査を実施した結果、外来でのオピオイド鎮痛薬初回導入は拠点病院で70.1%、その他病院で41.3%の割合で実施されていた。オピオイド鎮痛薬を外来で初回導入された患者への服薬指導を、拠点病院では薬剤師が行っている72.5%、時々行っている10.7%、行っていない9.2%、看護師が行っている48.9%、時々行っている22.1%、行っていない21.4%、その他病院では薬剤師が行っている57.2%、時々行っている10.7%、行っていない19.6%、看護師が行っている30.4%、時々行っている24.4%、行っていない33.3%であった。回答者によるがん疼痛の痛みの評価は、拠点病院が行っている83.4%、時々行っている12.7%、行っていない3.8%、その他病院が行っている60.2%、時々行っている22.1%、行っていない17.7%であった。この結果から、通院患者は服薬指導を受けずに自宅でオピオイド鎮痛薬を使用している可能性が示唆された。 ②がん診療連携拠点病院に通院するがん疼痛患者10名を対象に、研究協力者である認定看護師が本プログラムを用いた看護介入を行った。本プログラムを完遂した7名の疼痛強度とQOL、痛み自己効力感は介入前後で有意差はなかったが、患者から、痛みの対処方法がわかるようになった、自分の生活の見直しができた、毎回色々な気づきがあった、思い出して記録することや目標を立てることが自分のためになったという肯定的意見が得られ、認定看護師から、患者は痛みの原因を考え主治医に説明を望む行動に移っていたなどの意見が得られた。
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備考 |
第34回日本がん看護学会学術集会(2020年2月)において交流集会を開催した。発表者:山中政子,鈴木久美,吹田智子,藤田美佐緒,加藤理香,山本桂子,柳井瑞乃,神山智秋。 テーマ:通院中の成人患者のがん疼痛セルフマネジメントを促進する看護介入プログラムの開発~医療者主体のペインマネジメントから患者主体のセルフマネジメントへ~。約50名の参加者へ、本プログラムの開発過程および内容を周知することができた。
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