研究課題/領域番号 |
16K12085
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
光井 綾子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (90457367)
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研究分担者 |
伊東 美佐江 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00335754)
松本 啓子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70249556)
細川 京子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (40554233)
小野 美穂 岡山大学, 保健学研究科, 講師 (20403470)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | パートナーシップ |
研究実績の概要 |
本研究は、治療期にあるがん患者とパートナーとのパートナーシップを促進する支援モデルを構築することを目的としている。 平成29年度の研究計画は、がん患者とそのパートナーを対象に半構成的面接調査を実施し、治療期にあるがん患者とパートナーのパートナーシップの実態を明らかにすることであった。そのため、本年度の研究目標を達成するために、倫理委員会の承認後、施設の協力を得て、治療を受けているがん患者とそのパートナーを対象に、それぞれ個別に面接調査を実施した。研究対象者は、治療を受けている造血器腫瘍患者とそのパートナーとした。対象者の選定理由は次の2点である。①治療期にあるがん患者とパートナーのパートナーシップを促進する支援を構築するためには、両者のパートナーシップの形成プロセスを明確にする必要がある。その際、データの分析には修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いるが、この手法は分析対象とするデータを限定して理論生成を行うものであり、ある程度対象者を限定する必要がある。②造血器腫瘍は抗がん剤に対する感受性が高く、化学療法のみで治癒が期待できるため、治療強度が高く、治療期間も長期にわたる。そのため、患者の身体的・心理的・社会的苦痛は大きい。したがって、造血器腫瘍患者とそのパートナーのパートナーシップを促進する支援モデルを構築する必要性が高い。 現在までに、研究参加に同意が得られたがん患者とそのパートナー3組6名からデータ収集を行い、収集したデータを逐語録に起こし、分析を行っている。その結果、造血器腫瘍患者とそのパートナーそれぞれのパートナーシップの形成プロセスを構成するいくつかの概念が抽出されているが、理論的飽和化に至るには、さらにデータ収集と分析が必要である。そのため、今後も引き続きデータ収集と分析を行い、理論的飽和化に至るまで並行的比較分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
治療期にあるがん患者とそのパートナーのパートナーシップの形成プロセスを明らかにするために、修正版グラウンデッドセオリーアプローチに基づき分析を進めているが、理論的飽和化に至るにはさらにデータ収集が必要な状況にある。本研究では、治療期にある造血器腫瘍患者とそのパートナーを対象としているため、インタビュー可能な研究参加者の確保に苦慮しており、当初の予定よりもデータ収集が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、データ収集と分析を引き続き行っていく。また、面接調査のデータ分析結果と文献検討の結果を基に支援モデルの原案を作成し、研究者ならびに研究協力者間で検討し支援モデルの完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集ならびに分析が遅れている。そのため、差額が生じている。次年度は、データ収集、研究成果を公表するための学会参加費、論文作成などに使用予定である。
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