研究課題/領域番号 |
16K12087
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
伴 佳子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 准教授 (80726498)
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研究分担者 |
安酸 史子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 教授 (10254559)
餘目 千史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 講師 (80588856)
椙田 広明 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 助教 (00758740)
小森 直美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 准教授 (70438307)
藤本 肇 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (60772811)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 終末期ケア / 組織風土 / 一般病棟 / 看護師 |
研究実績の概要 |
本研究は、一般病棟におけるがん患者の終末期ケアを尊重する組織風土を醸成すること目指し、終末期ケアを尊重する、もしくは軽視する組織風土の事象の中で働きかけによって変化可能な具体的事象を明らかにして、組織風土醸成のための支援プログラムを構築することを目的としている。そのために必要な調査として、①申請者の既存研究の介入に関する詳細な聞き取り調査、②地域や設置主体の異なる病院の組織風土に関する調査を計画している。 平成28年度は、①の調査を中心に研究を進めた。既存研究では、外科病棟の看護師の終末期ケアに関する意識と看護実践の変化に焦点を当て、「がん看護専門看護師が継続的に病棟(個々の看護師と病棟全体)に関わることで、その病棟では看取りの意識が変わりより患者の安寧を主眼に置いたケアがなされるように変化した」ことを報告した。介入から3年経過し、この既存研究におけるがん看護専門看護師の介入内容を詳細に抽出し、インタビューガイドを作成した。その後、現在も研究協力病棟に所属している看護師8名に聞き取り調査を実施した。 その結果、看護師が有効と認識していた介入は、「定期的な勉強会による知識・技術の普及」、「実践指導による看取り期のケアの見直しと家族ケアの充実」、「デスケースカンファレンスによるグリーフケア」などであった。特に、デスケースカンファレンスは、スタッフ間で思いを共有することにより終末期に関する認識の変化をもたらしていたことがわかった。また、がん看護専門看護師は介入したと認識していなかったが、「看護師から医師への意見具申の方法」を看護師は有効と認識していることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度~29年度(前半)は、支援プログラム構築の前段階である調査年度に該当する。今年度は、現在も既存研究の協力病棟に所属している対象者に聞き取り調査を実施し、その成果を平成29年度開催される学会での発表を予定している。しかし、現在既存研究の協力病棟に所属していない対象者は近郊に在住していないものが多く、調査依頼と日程調整に難航したため、29年度も継続して行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、平成28年度に引き続き①既存研究の協力病棟に所属していない看護師に対する調査、②地域や設置主体の異なる病院の組織風土に関する調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
聞き取り調査が予定より遅れているため、データ分析費の余剰が生じた。 また、本研究の成果を国際学会で発表する予定であるが、当該学会が2年毎の開催間隔であったため平成29年度の外国旅費を計上していなかった。平成28年の当該学会において開催間隔の変更と平成29年の開催が広報されたため、成果報告のため28年度の旅費の一部を次年度に使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、聞き取り調査に関わる旅費、データ分析費として使用する予定である。また、成果発表のための旅費として使用する予定である。
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