研究の目的は、婦人科がんサバイバーがどのような情報が必要か明らかにし、その情報提供システムの構築であった。治療は施設によって異なる場合があるが、受診病院がどのような手術方法が可能かを調べて受診する人は少ない。また、地域的な問題もあるが、得られた情報と受診できる病院は異なる場合も多い。今は様々な情報が得られる社会となっているが、サバイバーに合ったより生活を重視した信頼性の高い情報を提供できるようにしたいと考えた。 婦人科がんサバイバーだけではないが、病院から離れると患者(人)は、新しい情報を得にくくなる。また受診した施設によって得られる情報は限られてくる。婦人科がんサバイバーや家族の方が、新しい情報を手にいれられるように、最終年度に婦人科がんサバイバー情報サイトhttps://f-cancer-survivor.info/を公開した。これは1.役に立つ情報、2.治験ホームページの案内、3.研究紹介、主にリンパ浮腫についての研究を簡単にまとめて紹介した。サイト別では、2)の抗がん剤などによる副作用の中には、i)脱毛、iiリンパ浮腫、iii)妊孕性、iv)性に関する本に分けた。脱毛の中には、医療用ウイッグの品質と助成金をまとめたものや、キャンサーネットジャパンなどを紹介している。助成金がある市町の一覧は大変役にたつと思われる。一方、妊孕性に関する助成金は近年多くの都道府県等でみられるようになったが一覧になったサイトはまだない。早期に探しやすいサイトが望まれる。 今後、HPからのアンケート結果を持たなければいけないが、情報提供は単なる今ある知識の提供ではなく、その人個人に合った情報が必要となる。納得のいく治療法や生活の質を考えた治療や看護を選択するには、医療者との信頼関係も重要である。選択できる人とお任せの人がいる中で比較的若年世代は自ら情報を集め選択しようとしていることがわかった。
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