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2017 年度 実施状況報告書

不育症女性の精神的支援-ピア・カウンセリングの効果-

研究課題

研究課題/領域番号 16K12094
研究機関岡山大学

研究代表者

片岡 久美恵  岡山大学, 保健学研究科, 講師 (20613780)

研究分担者 中塚 幹也  岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード不育症 / 精神的支援 / ピア・カウンセリング / 流産 / 死産
研究実績の概要

本研究は、不育症女性におけるピア・カウンセリングによる精神的支援の効果を具体的に明らかにすることを目的とした。 平成29年度は、実際にピア・カウンセリングを年間4回(5月、9月、12月、3月)開催し、延べ27名の参加が得られた。ピア・カウンセリング前後における自律神経活動の変化やK6などの尺度を用いて気持ちの変化を検証している。また、平成29年12月から平成30年4月、半構成面接法を実施した。ピア・カウンセリングに参加した不育症女性3名より調査への同意が得られた。インタビュー・データから逐語録を作成した。今後は、さらに協力者を加えて質的帰納法により、データ分析を行うこととする。
ピア・カウンセリングの運営を円滑にするために、不育症女性の情報ニーズの把握を行った。不育症女性が2013~15年までに日本最大級の女性限定口コミサイト(株式会社ベネッセコーポレーションが管理するウィメンズパーク)上で発言した内容のうち“教えて”マークの付記されたものから,最も多く係り受けられた「検査」の発言内容の237件のうち,妊娠中であるもの39件を分析対象とした。その内容を精読し背景を数値化し,質的帰納的に分析し、以下のカテゴリが得られた。【選択された治療に対する不安】【妊娠反応陽性後の受診行動についてのアドバイス】【治療中の日常生活についての体験談】【妊娠継続や出産の成功体験談】【出産のための施設の情報】【妊娠が継続できるか不安】であった。とくに【選択された治療に対する不安】では,リスク因子の検査データの実際の数値を記載し,同じような値ではどのような治療をしたかを尋ねていた。同様に,【妊娠継続や出産の成功体験談】では自らのリスク因子を記載し,同じリスク因子で出産できたという成功体験を求めていた。この結果から、ピア・カウンセリングが支援に繋がることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ピア・カウンセリングに参加する人数が十分確保できなかった。特に12月の開催では、インフルエンザの流行の影響を受け、インフルエンザを発症した参加者もあり、感染のリスクが高いため欠席を希望する参加者もあった。このような理由で対象者が量的に比較するまでに達していないことが分析を遅らせている原因と考える。
また、インタビュ-に関しては、ピア・カウンセリング参加者としたため、悲嘆過程を振り返ることが予測されるため協力者をえるための活動が十分行えなかった。
全仕事時間のうち本研究の実施に必要な時間の配分率が低下したことが理由としてあげられる。

今後の研究の推進方策

今後は、研究代表者が本研究に関するエフォートを確保する。また、4回/年のピア・カウンセリングを開催しデータ収集を行う上で、ピア・カウンセリングを開催する時期を、インフルエンザの流行や天候の不安が少ない時期を考慮し変更するなど工夫する。さらに範囲を広げて広報を行い、参加者を増やす努力をする。
インタビュ-の対象者を、ピア・カウンセリング開催日にリクルートできるように工夫し、データ収集に努める。

次年度使用額が生じた理由

対象者は流死産を繰り返した不育症女性であり、1回のピア・カウンセリングに参加する人数が限られる。また、インタビューに関しても同様であり対象者に同意を得ることが困難であったため、次年度も引き続きデ-タ収集を行う予定である。ピア・カウンセリング開催にあたり会議費やインタビュ-の逐語録作成のための費用とする。また、質的研究成果をまとめる上で必要となる図書や文献の購入、打ち合わせ、成果報告に伴う経費に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 流・死産経験後に妊娠した不育症女性の情報ニーズ -ソーシャルメディアにおける発言内容の分析より-2018

    • 著者名/発表者名
      片岡 久美恵 井田 歩美
    • 学会等名
      第32回日本助産学会
  • [学会発表] Background factors related to grief resulting from miscarriage and stillbirth in women who experienced recurrent pregnancy loss:ーuse of the Perinatal Grief Scaleー2017

    • 著者名/発表者名
      kumie Kataoka, Mikiya Nakatsuka
    • 学会等名
      International Confederation of Midwives the 31th Triennial Congress
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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