研究課題/領域番号 |
16K12096
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永橋 美幸 (荒木美幸) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (10304974)
|
研究分担者 |
大石 和代 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00194069)
高村 恒人 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (90773888) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 唾液オキシトシン / 産後早期 / 授乳前後 |
研究実績の概要 |
対象は21名の褥婦。産後2日の授乳前では,37.9±14.6pg/mg,授乳中では50.5±19.6 pg/mg,授乳終了30分後では41.6±14.9 pg/mgであり,産後4日の授乳前では34.3±15.6 pg/mg,授乳中では43.8±14.6 pg/mg,授乳終了30分後では38.5±11.2 pg/mgであった.産後2日と4日の3時点の経日的変化については,3時点いずれも有意差は認められなかった(授乳前p=0.399,授乳中p=0.094,授乳終了30分後p=0.291).しかし,授乳前と比較し,授乳中の唾液OT濃度は産後2日と4日ともに有意に上昇した(産後2日:p=0.002,産後4日:p=0.016). 産後2日と4日の唾液OT濃度の2時点の変化量は,いずれも有意差は認められなかった(授乳前-授乳中:p=0.552,授乳前-授乳終了30分後:p=0.921). 授乳前から授乳中の唾液OT濃度の変化量に影響を与える要因をみたところ,乳房の状態については,産後4日の乳房緊満の有無,開口数で産後4日の唾液OT濃度の変化量に負の相関がみられた(乳房緊満:r=-0.444,p=0.044,開口数左:r=-0.697,p<0.001,開口数右:r=-0.581,p=0.006).授乳状況については,産後2日の授乳回数は産後4日の唾液OT濃度の変化量で負の相関がみられた.(r=-0.459,p:0.036).児の状態については,児の出生体重,生後4日の体重と産後4日の唾液OT濃度の変化量に正の相関がみられた(出生時体重:r=0.452,p=0.04,生後4日の体重:r=0.458,p=0.037).分娩時の医療処置については,分娩後子宮収縮薬使用群で産後4日の唾液OTの変化量が有意に高かった(p=0.001).
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までに「妊婦の胎児へのタッチングおよびオキシトシンとの関係」、「夫による妊婦の腹部へのタッチングと妊婦の胎児愛着」についてすでに調査済みである。 今回は褥婦を対象にし、[産後早期の母親の授乳前後の唾液オキシトシンの変化とその要因」について検討した。
|
今後の研究の推進方策 |
今回、経膣分娩後の褥婦を対象に研究実施したが、今後は帝王切開術後の褥婦における、産後早期の唾液オキシトシンの分泌状態と、産後早期の唾液オキシトシンの産褥日数による変化及び要因を明らかにすることを目的とした量的記述的研究を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が退職したため、分析全般のスーパーバイザーを研究代表者が担うことになった。次年度からは実験補助等を雇い実施するために、使用額を残した。
|