研究課題/領域番号 |
16K12107
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
新城 正紀 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 教授 (50244314)
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研究分担者 |
井上 松代 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 准教授 (30326508)
赤嶺 伊都子 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 准教授 (60316221)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | IPV / 被害者発見認識尺度 / 基準関連妥当性 / 有効性 / 尺度開発 / 支援 / 連携 / DV |
研究実績の概要 |
親密なパートナーからの暴力の問題は、複雑・多岐にわたる課題であり、その課題解決のためにはその要因を探り適切な対応、対策および取り組みが重要である。科学的根拠に基づいたIPV被害者発見、被害程度の把握は、IPVの問題解決のために最も重要な要素である。本研究は、平成25年~27年度科学研究費補助金基盤研究(C)(研究課題:汎用性のあるドメスティック・バイオレンス被害女性早期発見尺度の開発)により開発した「IPV被害者発見尺度 Detection Scale for Intimate Partner Violence (DS-IPV)、以下、DS-IPVとする」の有効性および有用性について検討することを目的とした。 「IPV被害者発見認識尺度(DRS-IPV)の開発」について学術雑誌に投稿中である。論文投稿にあたって、開発した尺度「IPV被害者発見尺度(DS-IPV)」の名称を「IPV被害者発見認識尺度(DRS-IPV)」に変更した。 DRS-IPVの有用性の確認は、既に開発され医療機関などで利用されている「女性に対する暴力スクリーニング尺度(Violence Against Women Screen: VAWS)」との基準関連妥当性の比較、検討によって行う。VAWSは、片岡弥恵子氏が開発した尺度である。VAWSの使用については、尺度開発者から承諾を得た。 医療機関、行政機関(市町村保健センターなど)、被害者支援機関(NPOなど)への調査協力依頼を行った。また、講演会参加者にDRS-IPVを用いたアンケート調査を実施した。しかし、基準関連妥当性を検討するための十分な調査票の回収は困難であった。 そこで、診療情報としてVAWSをルーチンに活用している医療機関(A母子医療センター)に調査・研究の依頼を行った。調査実施のための倫理審査申請の手続きを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究が遅れている主な理由を以下に示す。 1)医療機関、行政機関や支援機関(NPOなど)などにおいて、日常業務で「女性に対する暴力スクリーニング尺度、VAWS」を用いている施設は少なく、DRS-IPVの基準関連妥当性を確認するための情報を得るのが困難であった。また、DRS-IPVは、開発されて間もなく、尺度の有効性が確認できていないことや活用法に関する情報がほとんどないことから、尺度を用いた調査は難しく、調査は進んでいない。 2)代表研究者(新城)が、2019年3月31日付で所属機関を早期退職することになり、研究を推進するための時間の確保が困難であった。調査を推進するための調査依頼や依頼先との連絡調整を十分に行うことができなかった。また、研究の成果が得られなかったことから、研究成果の公表には至らず、関連学会等での発表、情報収集の活動ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(4年目、最終年度)は、A母子医療センターにおいて「IPV被害者発見認識尺度(DRS-IPV)の有効性の検討」の調査を行う。A母子医療センターでは、ルーチンに「女性に対する暴力スクリーニング尺度、VAWS」を用いて診療情報を得ている。 現在、A母子医療センターに倫理審査申請の手続きを進めている。具体的な方法は、外来担当看護師が、対象者に対して口頭で研究協力の説明をした後、アンケート調査(DRS-IPV)を「女性に対する暴力スクリーニング尺度 VAWS」を含む他の書類とともに配布する。DRS-IPVを、VAWSとともに配布し、回収する。A母子医療センターでは、匿名化後、DRS-IPVとVAWSをセットにして、1カ月単位で研究代表者に郵送後、DRS-IPVは破棄する。1000人の調査協力が得られた時点で終了とする。研究代表者は、DRS-IPVとVAWSを用いて基準関連妥当性を検討する。基準関連妥当性は、被害者発見認識尺度(DRS-IPV)の22項目および「女性に対する暴力スクリーニング尺度(Violence Against Women Screen: VAWS)」7項目の比較により検討する。国内外の当該分野の関連学会において研究成果の発表および情報収集を行う。 また、現在、学術雑誌に投稿中の「IPV被害者発見認識尺度(DRS-IPV)の開発」に関する論文が掲載された場合には、それをもとに「IPV被害者発見認識尺度(DRS-IPV)」の普及について検討を行い、本研究の推進、発展を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
以下の理由で研究が当初の計画どおりに進まなく、遅れたため、研究期間を1年延長した。そのために、次年度使用額が生じた。 1)医療機関、行政機関や支援機関(NPOなど)などにおいて、日常業務で「女性に対する暴力スクリーニング尺度、VAWS」を用いている施設は少なく、DRS-IPVの基準関連妥当性を確認するための情報を得るのが困難であった。また、DRS-IPVは、開発されて間もなく、尺度の有効性が確認できていないことや活用法に関する情報がほとんどないことから、尺度を用いた調査は難しく、調査は進んでいない。 2)代表研究者(新城)が、2019年3月31日付で所属機関を早期退職することになり、研究を推進するための時間の確保が困難であった。調査を推進するための調査依頼や依頼先との連絡調整を十分に行うことができなかった。また、研究の成果が得られなかったことから、研究成果の公表には至らず、関連学会等での発表、情報収集の活動ができなかった。
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