2019年度は、【研究1】生後3か月までの子どもと親の関係を支援する早期介入の効果検証にむけたprimary outcomeのデータ収集・分析の準備、施設倫理審査、臨床介入研究登録、臨地における介入研究の開始準備、公表に向けた準備を行った。【研究2】では、継続してトレーニングを開催し、フォローアップ体制を構築し、専門家が抱いた早期介入の有用性と障壁の検討に関する追加データ収集と分析を行った。 【研究1】では、介入研究にむけて、欧米ではNBOの介入研究の際にPrimary outcomeとされているが国内では評価者不在であるInfant CARE-Indexにて親子関係を評価できるよう、8月に欧州開催のトレーニングに参加した。web follow up traningとreliability testを10月に終え、12月に実践レベルの認定を得て、データ収集・分析の準備を終えた。臨地の介入者・協力者とともに2020年1月に大学の倫理審査を終え、続いて病院の倫理審査と実施を予定していた。2-3月はCOVID-19感染拡大により臨地における研究活動が一時中断となり、現在、再開にむけて準備をしている。時同じくNBO介入研究を行う他4か国の研究者らと2020年6月開催予定のWAIMHにおいて成果発表予定であったが、1年後に延期となっている。 【研究2】引き続き国内トレーニングを6月、10月、12月に開催し、計26名の専門家に教授した。昨年度と同様に双方向会議システムを用いたフォローアップミーティングも開催した。参加率は概ね8~9割と高く、トレーニングでの学びを臨地で実践しリフレクションする体制を整備した。質問紙調査も引き続き行い、臨地で実施する際に、周囲の理解を得て導入していく難しさはあるが、子どもの行動に対する観察力や敏感性が増し、親子関係を意識した関わりへと繋がっていることが示唆された。
|