研究課題/領域番号 |
16K12118
|
研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
市江 和子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00279994)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 家族看護 / ターナー症候群 / ライフサイクル / QOL / 家族の会 |
研究実績の概要 |
2018年は第2研究として、「成人期をみすえた各ライフステージのターナー症候群女児と家族へのQOLに関する調査」を実施した。研究目的は、「学童期から青年期のTS女児と家族に対して、TSとTS女児のQOLに関する意識の実態調査を実施し、TS女児と家族のQOLを測定する尺度を開発するための基礎資料とする」である。研究方法は、質問紙調査による量的研究である。調査期間は、2018年7月から2018年10月であった。調査対象 は、TS家族の会に所属する、学童期から青年期(約12歳から約25歳)のTS女児とその家族とした。近畿地方、東海地方におけるTS家族の会について縁故法で依頼をし、承諾を得た2つの会を対象とした。調査方法は、調査は、無記名自記式質問紙による、集合配布法あるいは郵送法による。質問紙の提出をもって調査への同意とすることを、研究協力依頼文書に明記する。聖隷クリストファー大学の倫理員会の承認を得た。 調査は、無記名自記式質問紙法で実施した。約12歳以上から16歳未満の18名中11名(回答率61.1%)、約16歳以上から20歳未満の13名中の7名(回答率53.3%)、約20歳以上から25歳の13名中4名(回答率30.8%)、約20歳以上から25歳44名中24名(回答率54.5%)の回答があった。TS女児については、QOLに関する思いは発達段階によって違いがみられた。家族については、S女児と家族の環境への思いとして、家族の会、周囲の人たちの存在の重要性が明らかになった。今後、成人期をみすえた各ライフステージのターナー症候群女児と家族へのQOLに関する尺度の開発を進めることが求められる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第2研究については、聖隷クリストファー大学看護学部紀要に、「成人期をみすえた各ライフステージのターナー症候群女児と家族へのQOLに関する調査」の記述統計結果を報告した。第2研究の意識調査について、調査データの統計解析をより精密に進める。さらに、自由記述を分析をする。自由記述の記載の内容が多く、質的に分析を進めるために、時間を要している。分析結果をふまえた支援プログラムの作成について、現在、既存のプログラムの文献検討と結果のまとめに取り組んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
第2研究の分析を進め、2019年9月せいれい看護学会学術集会に、第2研究の分析結果を発表する。第1研究と第2研究をふまえ、支援プログラムを作成する。家族会の代表者、ターナー症候群の女児と家族の会の支援の医師などとの検討会を開催し、支援プログラムの討論および精選を行う。2020年2月聖隷コンファレンス(国際研究会)に、意識調査の分析結果をふまえた支援プログラムについて発表する。2020年2月に、ターナー症候群の子どもと家族におけるライフサイクルを基盤とした支援モデルの構築の報告書を作成・送付をする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2018年度までの経費として、物品費、人件費・謝金、その他に残金が生じた。第2研究については、調査対象の選出に関し、スーパーバイスを受けているターナー症候群女児と家族会の支援の医師から、調査対象者を全国にする際にはその家族会の現状をふまえて調査をしたほうがよい旨の助言を受けた。そのため、第2研究の調査対象を縁故法をもとに2つの家族会を対象とした。その結果、調査対象者が少なかったため、郵送料と謝礼の金額が減額となった。対象者数から、入力等を研究者が行ったことにより、人件費が発生しなかった。また、調査時期が9月末までになったことから、昨年度の学会発表を行うことができなった。そのため、2019年度は、結果のまとめと学会発表を行う。支援プログラムの作成に向けて、文献講読のため文献を購入する。支援プログラム作成に向けて、家族会の方々、ターナー症候群女児と家族会の支援の医師との検討会を行うためにそれぞれの地域の活動へ参加する。最終的に、報告書作成し各家族会に報告する。
|