研究課題/領域番号 |
16K12122
|
研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
内藤 直子 人間環境大学, 看護学部, 特任教授 (00290429)
|
研究分担者 |
杉下 佳文 人間環境大学, 看護学部, 准教授 (00451766)
藏本 直子 人間環境大学, 看護学部, 講師 (40377677)
三徳 和子 人間環境大学, 看護学部, 特任教授 (60351954)
松原 紀子 人間環境大学, 看護学部, 講師 (70760289)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ネウボラと保育園の連携 / フィンランド / 出産ネウボラ / 子どもネウボラ / 運営とシステム / ネウボラ員の教育システム / ネウボラ員の法的制度保証 / 利用した母親の思い |
研究実績の概要 |
本研究は、第1段階として、平成27年に日本版ネウボラを実施していると報告のある全国の5市の運営とシステムをWebや文献から調査した。次に、フィンランドのネウボラ運営とシステムについて、ネウボラ企画者とネウボラ担当者およびネウボラを利用した母親そして、ネウボラと関連している保育士に対する質問票とインタビューガイドを和文と英文で作成した。その後、東京の在日フィンランド大使館子育て関係者にヘルシンキ市近郊で調査対象者の紹介を依頼し、THL(フィンランド国立保健健康研究所)の統括部長を紹介された。平成28年夏に通訳とコ-ディネ-ターの協力で、ヘルシンキ市近郊にて十数名の調査とインタビューを実施した。本研究は全てA大学の研究倫理審査会の承認後に、対象から承諾書又は同意書の署名を得たのちに開始した。利益相反は認められない。帰国後、ICレコーダ―に録音したインタビュー内容の分析を行った。現在は、学会報告に向けて準備中である。 第2段階では、愛知県B市の保健センタ―の保健師と会議を重ねて、同市の健康文化部長から、本研究の検討会を共同で会議することの承諾書を得て、研究実施体制の充実を図った。 第3段階では、ネウボラ的地域包括継続子育て支援を実施している市町村の保健センターの担当者に、子育て支援の運営やシステムの現状と課題、展望と担当者が満足している内容やQOL、今後の希望などを、具体的な内容の質問票とインタビュ―ガイドを作成中であり、次年度に倫理的側面の審査を得て、実施予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、研究計画に即して、フィンランドのヘルシンキ市を訪問して、THL(フィンランド国立保健健康研究所)の研究協力の承諾が得られた。その結果、ネウボラ関連施設8か所の視察や写真撮影、ネウボラ担当者の複数人やリーダーのインタビューが実施できた。また、ネウボラを利用した母親の質問紙調査やインタビュー調査が可能であった。 更に、保育園の保育士の複数人や園長から、フィンランドの幼児教育と、ネウボラとの連携の実際がインタビューできた。そして、そのデータの分析も進んでおり、学会報告の縦鼻中である。 国内のネウボラ的地域継続包括子育て支援を実施している保健センタ-の運営とシステム、実施内容などの分析も推進中である。 以上から、本研究の計画案は、おおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、愛知県B市の保健センタ―の保健師達と会議を重ねて、新日本版ネウボラ構築案作成に向けて検討する。健やか親子21(第2次)の施策も視野に入れた子育て家族の健康と幸せをめざし妊産婦、新生児乳児、双子、避妊と性生活、不妊時ケア、祖父母の子育て、父親育児休業などをネウボラ的新日本版ネウボラ案を模索する予定である。さらに、ネウボラ員の要請や増員、助産師などの他職種との常勤での協力体制や、子育てサポートグループなどのソーシャルキャピタル向上などについても検討の予定である。 次に、ネウボラ的地域包括継続子育て支援を実施している市町村の保健センターの担当者に、子育て支援の運営やシステムの現状と課題、展望と担当者が満足している内容やQOL、今後の希望など、具体的な内容の質問票とインタビュ―ガイドを作成して、倫理的側面の審査を得て、実施予定である。日本のネウボラ実施の5市をインタビュー調査し分析し検討する。 可能なら、日本やフィンランドのネウボラ運営とシステムの相違を検討し、子育て家族の健康と幸せをめざし妊産婦、新生児乳幼児、支援として、出産ネウボラ、子育てネウボラ、家族ネウボラのモデル構築に向けて、研究を推進する。
|