研究実績の概要 |
平成30年度は、これまでのデータの2次分析と、第2次調査に向けて倫理委員会申請、研究協力施設の調整、対象者の募集を行った。 データの2次分析としては、三軸加速度計を用いた縦断的客観的測定によって、生活スタイル別(専業主婦群;11名・就労継続群;10名・就労中断群;13名)に妊娠期の座位行動を評価することを目的に、合併症のない初産婦34名を対象に妊娠24~27週,妊娠後期である妊娠32~35週の間に測定した1週間程度の有効データを分析した。1.5METs以下の身体活動強度を座位行動と定義した。専業主婦群では、妊娠中期と妊娠後期の平均座位時間はそれぞれ483.8分/日、477.5分/日で有意な変化は認めなかったが、平均座位バウトは23.7分から18.9分へ有意に短縮し(<0.01)、平均座位回数(回/日)、20分座位バウト(回/日)は有意に増加し(p=0.02,0.03)、1時間以上座位バウト(回/日)は有意に減少した(p=0.05)。就労中断群では、妊娠中期と妊娠後期の平均座位時間はそれぞれ528.5分/日、564.8分/日で有意な変化は認めなかったが、10分座位バウト(回/日)は有意に減少し(p<0.01)、30分以上座位バウト(回/日)は有意に増加した(p=0.01)。就労継続群では、妊娠中期と妊娠後期の平均座位時間はそれぞれ542.3分/日、517.3分/日で、いずれの項目も有意な変化は認めなかった。これらを踏まえ、座位行動の中断を目的とした介入プログラムを考案し、第1子を妊娠している、妊娠経過が順調な女性70名を目標に対象募集を開始し、69名の対象を確保した。現在は座位行動を含めた身体活動のデータ収集と分析、対象者の追跡を行っている。
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