研究課題/領域番号 |
16K12134
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐藤 幸子 山形大学, 医学部, 教授 (30299789)
|
研究分担者 |
今田 志保 (佐藤志保) 山形大学, 医学部, 助教 (00512617)
遠藤 芳子 宮城大学, 看護学部, 教授 (20299788)
塩飽 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50250808)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 心身症・神経症児 / 対人関係 / 困難な場面 / ソーシャルスキルトレーニング / ツール |
研究実績の概要 |
平成28年7月23日に第1回打合せ会を開催し,平成28年度の研究計画書の確認と倫理審査申請書について検討した。山形大学医学部倫理審査委員会の承認を受けた後研究を開始した。 研究の目的は,心身症・神経症児の学校や仲間集団における対人関係に関する困難な場面を明らかにし,対人場面における心身症・神経症児に対する支援を考察することである。平成17年7月から28年7月までに小児科外来において看護相談を受けた心身症・神経症児33名の相談記録を対象とした。看護相談の記録をもとに,心身症・神経症児の学校や仲 その結果,心身症・神経症児の学校や仲間集団における対人関係に関する困難な場面として【症状や受診に関連した学校場面】,【友だとの関係を作る場面】,【非難や攻撃を受ける場面】,及び【自分が困っている場面】の4つのカテゴリが抽出された。これらの結果から,心身症・神経症児の学校や仲間集団における対人関係に関する困難な場面として最もコード数が多かったのは,【非難や攻撃を受ける場面】であり,いじめと取れるような言動も多く含まれていた。いじめられたために生じた症状なのか,症状があり自ら主張できないためにいじめられやすいのかは明らかではないが,心身症・神経症児ではこのような場面に合うことが多く,周囲の対応が重要であると考えられた。また,【症状や受診に関連した学校場面】においても子供は困っている様子が伺われ,自分の症状やそれに伴う登校状況について説明できるように支援していくことも重要であることが示唆された。 この研究成果は,第37回日本看護科学学会学術集会で公表できるように準備を進めている。また,この成果を受けて平成29年度はトレーニングが必要でかつ妥当な想定場面を研究分担者で素案を作り,各場面におけるSSTの具体的内容を検討する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は,「心身症・神経症児の学校や仲間集団における対人関係に関する困難な場面を抽出し,心身症・神経症児用のSSTの想定場面を明確化する」ことを目標として研究を進めてきた。初年度内にその成果として,心身症・神経症児の学校や仲間集団における対人関係に関する困難な場面を抽出することが出来たため,順調に経過していると評価した。 経費の使用状況としても,打合せ会を学会開催時にあわせる等して節約し,年度内予算内に収めることが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進め方は以下の計画に沿って実施する予定である。 まず,抽出された困難な場面から,トレーニングが必要でかつ妥当な想定場面を研究分担者で素案を作り,研究協力者と検討会を開催し選択する。各場面におけるSSTの具体的内容を研究分担者と協力者による検討会を定期的に開催し,素案を作成する。 次に心身症・神経症児を対象にソーシャルスキルトレーニングツールの妥当性や活用性について検討するために,小児の入院する病棟に勤務する看護師,小中学校の養護教諭・保健師・児童相談所等の心理士を対象に想定場面およびその場面に対応する対処方法について,妥当性や活用性についてアンケート調査を実施する。 その後,心身症・神経症児のための動画によるソーシャルスキルトレーニングツールを作成する。動画作成はアニメーションでDVDの形で完成させるが,パソコンやタブレット等でも活用できる物とする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度パーソナルコンピューターを購入予定であったが,予算の不足が予測されたため,今年度予算の残額と次年度の予算とあわせてパーソナルコンピューターを購入することとした。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度予算の残額と次年度の予算とあわせてパーソナルコンピューターを購入する。
|