H28年度の研究計画に沿い、日本において出産時の継続的な寄り添いの提供者について文献検討をおこなった。国内外の文献を収集して様々なモデルについて情報を集めたり、海外のエキスパートと話し合った。また、出産ドゥーラの効果に関連したコクランレビューの改訂プロセスにもかかわる中で、最新の研究所見を海外の研究者と、国際保健における出産時の非医療的支援の意義について討議したことも本研究に役立った。 9月に開催されたアメリカ式出産ドゥーラ養成プログラムの場で、受講者にアンケート調査(タイトル:周産期の非医療者支援者「出産ドゥーラ」:養成プログラム受講者の思い)をおこない、日本人のケア提供者の立場の人々がアメリカ式の出産ドゥーラ養成にどのような反応を持つかを調べた。日本における非医療的ケアの最も効果的で持続可能な提供方法についての考えと、受講体験について、参加の動機、役に立った内容、日本のニーズに合っているかどうか、運営方法などを尋ねた。調査にあたり筑波大学医の倫理委員会の審査を受けて実施した。参加者の出産ドゥーラトレーニングへの関心はとても高く、米国で実際に活動しているドゥーラから直接学ぶ機会や、出産時のケアやコミュニケーションについて演習が充実していたことなどの評価が高かった。受講料(日本語通訳付き、3日間5万円)についても妥当という評価が多かった。ワークショップの内容について日本の文化に会わない可能性がある点についても示唆を得た。
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