本研究は、産褥期用睡眠日誌【e-ママ睡眠ダイアリー】を開発した。作成過程で①国内外の睡眠日誌、褥婦、および新生児の身体的特徴をレビューし、掲載内容を選定した。次に②リアルタイムで【睡眠の質】、【主睡眠時間を阻害する要因】、および産褥期特有の育児行動も簡便入力でき、産褥1ヶ月間使用可能なプログラム原案(power pointベース)を作成した。③素材、支援方法、コミュニケーションツールの配置を決めアプリ化した。なお、評価は、FS-700測定結果、および出産後1ヶ月健診時のカウンセリング等々によって行った。 平成29年度より【e-ママ睡眠ダイアリー】を用いて高齢初産婦を対象とし参加を依頼した。調査は、出産後1日、3日、5日は対象者の病室に訪室し、【睡眠の質】、および【主睡眠時間を阻害する要因】等を調査した。出産後1週間、2週間、3週間、1か月は、携帯電話を介しe-ママ睡眠ダイアリーにて調査し、FS-700は、1か月間装着を依頼し、1か月健診時に再度対面にて調査・回収した。産褥早期からの育児行動によって生じる分割した睡眠の実態を明らかにすると共に、主睡眠時間の確保を阻害する要因を調査し、必要な支援内容を明らかにする事ができた。研究協力施設は2施設であり、目標設定を100人としていたが、35歳以上の初産婦の選択基準に合致した対象者は合計88人であった。しかしながら、本研究成果を示すためには十分なデータ数となった。 最終年度は、主に研究成果の公表をする事を計画していたが、自然災害等々により公表できなかった。しかしながら、現在、海外誌への投稿に向けて、分担者と準備を進めている。
|