研究実績の概要 |
本研究の目的は,小児 1 型糖尿病患者の自己管理行動の確立を目的とし,タブレット型携帯端末等の情報通信技術(ICT)を用いた小児糖尿病教育支援システムをより活用可能なものに発展させることである。平成 28 年度は,以下の3点について計画し研究を進めた。1)ICT を活用した糖尿病自己管理教育システムに活用可能なアプリケーションの検討:海外・国内の先行研究を基盤に,ICT を活用した糖尿病自己管理教育システムに活用可能なアプリの種類,目的,エビデンスなどの医学的評価と有用性について文献検討した。海外では、思春期1型糖尿病患者を対象にICTを活用したコーピングスキルトレーニング(TEENCOPE)やSKYPEを活用した療養支援をおこない、療養行動とHbA1c値への影響を検討しており、ICTを活用した療養支援の効果が期待されることが明らかになった。次に、現在,糖尿病患者が利用できる日本で開発されている糖尿病の療養管理アプリケーションについてWEB上で検索した。ダウンロード件数が4万人と多く、医学的評価も高い「スマートe-SMBG」が活用可能と判断した。e-SMBGの開発者から協力を得て,スマートe-SMBGに「こどもモード」を搭載し,糖尿病サマーキャンプで実際にアプリケーションの試用を行った。 2)タブレット型携帯端末に装備する e-糖尿病手帳及びデジタル教材の開発:小児糖尿病患者の自己管理行動の確立に必要となる糖尿病の病態,インスリン注射,血糖測定,食事療法,学校生活を送るうえで必要となる知識や技術に関する内容を検討し,子どもの発達段階に合わせた「小児用 e-糖尿病手帳」として活用可能なデジタル教材について検討した。今年度は,インスリンの注射手技や血糖測定方法について,ビデオ教材の開発を行った。
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