研究課題/領域番号 |
16K12149
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (70404209)
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研究分担者 |
佐々木 規子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90315268)
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00209933)
本多 直子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (50746617)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遺伝教育 / 遺伝看護 / 出生前診断 |
研究実績の概要 |
2018年8月に開催された第1回「ヒトの遺伝」教育啓発を目的とした視聴覚教材の検討会に参加し、他施設の研究者らと情報交換を行った。その際に本研究で開発した大学生に対する無侵襲的出生前遺伝学的検査(以下:NIPT)を題材にした教育プログラムを紹介し、高校より協力を得ることができた。窓口となる教諭(理科)と打ちあわせを重ね、高校生を対象とした教育プログラムに改変し、2019年1月に高校1年生2クラス(80名)に対してプログラムを実践した。参加した生徒に対し、プログラム評価のアンケートを実施した。また、実践中の様子を研究分担者以外の高校教諭3名、臨床遺伝専門医1名に参加観察してもらい、プログラムの内容や実践中の生徒の様子などについてディスカッションを行った。対象者のレディネスを把握するため、窓口教員と密なプログラムの検討を行ったため、学習内容については概ね理解できる内容であったと思われるが、学習の主題である「NIPTにおける意思決定を模擬体験することで、倫理的な課題に気がつく」を達成するためには、高校1年生にはイメージがつきにくい“妊娠”や“出産”も含めた知識の提供が必要であった。アンケートでは86.9%が「NIPTについて初めて聞いた」と回答していた。目的にそった模擬体験をするためには、正しい知識の提供が必要であるが、時間をかけると生徒間のディスカッションの時間が制限される。提供する知識のさらなる精選が必要であると考えられた。また、今回のプログラム実践に関して、グループ毎に学習サポートとして研究分担者および高校教諭を配置した。プログラム汎用化のためには、少ない教員でも対応できる内容になるよう、プログラムの目的を焦点化する必要がある。今後、実施後のディスカッションによって得られた意見とアンケート結果を合わせて分析をすすめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学生に対する教育プログラムは、毎年実践している公開講座を継続して行っていく。中学生用プログラムは、対象確保が非常に困難であるが、今回、近い高校1年生の協力が得られたことで、対象のイメージを作ることができた。 また、日本の遺伝教育に関して中心的な役割を担う研究者との交流ができた。
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今後の研究の推進方策 |
高校でのプログラム実践に関し、第2回「ヒトの遺伝」教育啓発を目的とした視聴覚教材の検討会において、検討題材として取り上げてもらえることになった。参加者の意見を取り入れながら、汎用化するためのアイディアやプログラム実践に関する協力を募る。また、小学生用プログラムも内容の精選と汎用化への取り組みとして、出前講座の実施、公開講座へ他施設の研究者や小学校教諭などへの参加を呼び掛けていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力校が確保でき、研究分担者・実施協力者とともに教育プログラムを実施することができた。 旅費負担は大きかったが前年度未使用額でカバーできた。 現段階で、長崎県内より3件、県外より1件の出前講座の依頼があり、平成30年度残金4138円は、令和元年度予算と合わせて、その実施費用に充てる。
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