研究課題/領域番号 |
16K12150
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
生田 まちよ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 講師 (20433013)
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研究分担者 |
上田 公代 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 名誉教授 (20145345)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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キーワード | 超重症児 / 医療的ケア児 / レスパイト / 訪問看護 / 家族看護 / 在宅ケア |
研究実績の概要 |
1.訪問看護事業所のレスパイトサービスの現状と課題を把握しするために、九州内の訪問看護事業所の管理者に郵送式質問紙調査を実施した。質問紙回収率は、172/625部(27.5%)であった。事業所のスタッフ数は、平均は9.0±5.0人であった。小児を訪問対象にしている事業所は、93(56%)であり、超重症児を対象にしている事業所は82(51%)であった。90分以上の長時間訪問看護を行っている事業所は、66(42%)であった。長時間訪問を行っている事業所のうち、病院から自宅への在宅移行期から長時間訪問看護を計画している事業所は、55(54%)であった。小児を訪問対象にしている事業所においては、長時間訪問看護によるレスパイトサービスの問題点の中で、「柔軟なケア提供体制」「児の体調変化に対応できる体制」などの平均値が高かった。これらの解決がレスパイトの提供につながることが示唆された。 2.自宅で医療的ケアを行なっている子どもの母親の介護の現状とレスパイトサービスへの思いを把握するために、18歳以下の医療的ケアを行なっている児や重度心身障害障がい児を自宅で介護している主介護者を対象に質問紙調査を行った。155部配布し44名から回収し、有効回答は42名であった。休息ができていないと思っていたり、家族との時間が取れていないと思っている母親は、QOLが低かった。レスパイトサービスは、34名(77.3%)が必要と思っていたが、19名(43.2%)は利用しておらず、12名(27.3%)は利用したいがしていなかった。その理由は、「レスパイトサービスの所在や利用の仕方がわからない」「「預けるのに不安」などであった。母親のレスパイトサービス利用を促進するために、レスパイトそのサービスの認知を高めることや、安心して子どもを第三者に託せるような環境やシステムを考慮する必要があることが示唆された。
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