研究実績の概要 |
ASDの半数以上に何らかの感覚の特性があり,生活の困難さが伴っている可能性が高いことやASD児の母親は,乳幼児期早期から感覚の特性に由来する「育てにくさ」を感じている可能性が高いことから,これまでASD児の感覚の特性に関する研究に取り組んできた. 本研究の目的は,これまでの研究成果を発展させ,自閉スペクトラム障害(Autism pectrum Disorder:以下ASD)児の各感覚(前庭覚,固有受容覚,聴覚,視覚,触覚,味覚,臭覚)の特性(過敏さと鈍麻)を明らかにし,その要因の除去あるいは緩和することによってASD児の生活の困難さの改善を図ることである. 初年度となる平成28年度は,本研究の基盤となっているこれまでの研究成果について論文投稿(自閉症スペクトラム研究,印刷中)を行い,海外検索サーバーからASDの感覚と関連する文献収集を行い,検討を行っている. さらに次年度に予定している参加観察によるデータ収集・分析上必要となる感覚に関するアセスメント指標を得るため,ASDの感覚に関する実践およびアセスメントが網羅されている海外書籍の翻訳を行った.
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