研究課題/領域番号 |
16K12166
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研究機関 | 青森中央学院大学 |
研究代表者 |
齋藤 美紀子 青森中央学院大学, 看護学部, 准教授 (40312508)
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研究分担者 |
中久喜 町子 青森中央学院大学, 看護学部, 教授 (30279830)
中村 祥子 青森中央学院大学, 看護学部, 助教 (30644356)
吉川 由希子 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (50269180)
山野内 靖子 八戸学院大学, 健康医療学部, 講師 (70557230)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ファミリーサポートセンター / 病児・病後児 / 預かり基準 / 子育て支援 / サポーター / アドバイザー |
研究実績の概要 |
平成29年度は、昨年度実施したサポーターとアドバイザーに対する調査の分析を行い、その結果以下のことが明らかになった。 ①病児・病後児預かりについてのサポーターの認識:対象者14名のうち13名が病児・病後児預かりを経験していた。預かりは乳幼児が多く、発熱、腹痛、下痢、咳嗽等が見られていた。また、インフルエンザ、胃腸炎、風疹の児に対応した例もあった。2名のサポーターが預かり中に熱性けいれんを経験していた。主な活動内容は保育園や学校へのお迎え、祖父母宅への送迎等であり、病院の受診、点滴の付き添い、依頼された買い物、入院時の付添い等も行っていた。病児・病後児を預かる時に不安に思うことについて、【子どもの症状】【症状悪化時に一人で対応すること】【子どもが未受診である】【マッチングをしていない】【家族や自分への感染】が明らかになった。また、病児・病後児を預かる上で気をつけていることについては、【症状の悪化を察知する】【緊急時を想定して備える】【感染予防行動を徹底する】【症状による不快・苦痛に対応する】【子どもが安静に過ごせるように工夫する】【子どもの不安を緩和する】【預かり中の状態を親に報告する】が抽出された。 ②病児・病後児預かりについての現状とアドバイザーの認識:病児・病後児預かりを行っているA県内5か所の活動の現状とアドバイザー8名の認識を分析した。病児・病後児の受け入れ条件は、「病院受診後であること」「回復期であること」「提供会員が受諾した場合に受け入れる」などで、「感染力の強い感染症は預からない」ことがほぼ共通していた。母親が「就労のためのもしもの対応策」として病児・病後児のみに限定して依頼会員になっている例も多い状況であった。アドバイザーは依頼会員と提供会員の「事前打ち合わせ」を重視して対応していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、前年度のインタビュー調査の実施が年度末近くになったものもあったことから、未分析のデータが残ったため、それらを加えてサポーター、アドバイザーそれぞれの病児・病後児対応の現状と認識をさらに詳細に明らかにする作業を起こった。これについては平成30年度に3件の学会報告をエントリー済みである。質問紙調査の実施については現在項目作成中で、当初の予定から少し遅れてはいるものの、今年度の前半で実施できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの2年間で、ファミリーサポートセンターに関わる利用者、サポーター、アドバイザーそれぞれの活動の現状と、病児・病後児預かりに関する認識を明らかにしてきた。この中で、ファミリーサポートセンターにおける病児・病後児対応の特徴と、アドバイザーの支援者としての調整能力(コンピテンシー)の構造がみえてきた。今年度は全国の病児・病後児対応を行っているファミリーサポートセンターのアドバイザーを対象に、病児・病後児対応を行うにあたってアドバイザーが重要と考えている要因、また持つべき能力について質問紙調査を実施し、アドバイザーの支援者コンピテンシーを明確にする。しかしながら、今年度は質問紙調査の結果を受けた研修プログラムの試作も計画していることから、調査を急ぐ必要がある。早期に質問紙調査とデータ分析を行い、並行して研修プログラムの考案を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)平成29年度に計画していた質問紙調査の準備にやや遅れが生じたため、それに必要な経費を使用せず、次年度へ繰り越すことにした。 (使用計画)質問紙調査のデータ入力補助、資料整理にかかわる人件費、質問票の印刷費、通信費等が必要であり、このための経費として繰り越し分を使用する。
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