研究課題/領域番号 |
16K12168
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
篠崎 克子 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 教授 (30331010)
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研究分担者 |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (10213555)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 尿失禁 / インナーユニット / 努責 / 姿勢 / 分娩体位 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、尿失禁を予防する分娩期のケアのプログラム開発である。尿失禁を予防するためには、骨盤底筋群の負荷を軽減することが必須である。腹腔は上が横隔膜、背面から前面は腹横筋、後ろは多裂筋、そして下面が骨盤底筋群で構成されインナーユニットと呼ばれる。これらの筋肉は全て連動しているので、呼吸を調整することは横隔膜と骨盤底筋群の連動を調整し、姿勢を整えることは腹横筋・多裂筋と骨盤底筋群の連動を調整することに繋がる。 平成29 年度は、分娩時の努責(呼吸)の方法が骨盤底筋群の連動に関連があると考え、文献レビューを行った。網羅的に検索した結果、1513件の文献が検出された。その中から、適切な対象と結果が得られた研究を選択した結果、2件のランダム化比較試験(RCT)が抽出された。この内、1つのRCTは二値データ、他のRCTは連続データであったためメタアナリシスはできなかった。どちらの研究も、尿失禁の出現には有意差はなかった。この結果は、31st ICM (国際助産師連盟)大会で発表した。更に、systematic reviewとして投稿準備中である。なお、分娩中の姿勢と尿失禁の関連に関する文献は見当たらなかった。 また、尿失禁の出現の交絡因子に骨盤の形状がある。妊婦及び褥婦の骨盤形状の特徴をプレテストで調査した。その結果は、現在、投稿準備中である。 以上の結果をふまえ、尿失禁プログラムは、分娩中のケアのみでは効果が得られにくいと考えられた為、妊娠中からインナーユニットに関連する横隔膜、腹横筋、多裂筋の訓練を理学療法士と共に開発した。調査は、国際医療福祉大学研究倫理審査委員会の承認を得て、プログラムを実施する介入群と実施しないコントロール群に分けて調査を開始した。2施設の研究協力が得られ、現在、介入群49名のデータが収集された。今後は、コントロール群のデータ収集を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象者の同意が得られず、対象者の参加が少ない。また、尿失禁プログラムの実施に同意する施設も少ない。
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今後の研究の推進方策 |
研究説明会の開催だけでなく、外来で積極的に研究参加を呼びかける許可をいただいた。研究施設にも研究協力を依頼している。その結果、徐々に参加者の同意が増加傾向にある。今後も、この方針を継続させていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象者の獲得に遅れが生じたため、人件費が予定より少なくなってしまった。
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