研究課題/領域番号 |
16K12177
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
青木 雅子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (00453415)
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研究分担者 |
諏訪 茂樹 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (10299935)
日沼 千尋 東京女子医科大学, 看護学部, 名誉教授 (40248927)
稲井 慶 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80318063)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 先天性心疾患 / 小児 / ライフスキル |
研究実績の概要 |
2019年度は、ライフスキルを育む支援プログラム構築に向けてデータ分析をすすめた。先天性心疾患の子どもの自己開示に必要な支援について、研究参加者1)先天性心疾患をもつ子ども、2)先生性心疾患をもつ子どもの養育者、3)小・中学校教諭、4)医療者の4グループにインタビューし分析した。開示に必要な支援は次の通りであった。1.開示前の準備段階:1)幼児期からの段階的な認識、2)子ども・親・教員の知識、3)子どもの賞賛の経験の積み重ね、4)症状と活動の制限の理解、5)家族のオープンな環境、6)インクルーシブ教育の促進、7)学校教師の教育観、8)開示のシミュレーション、9)ピアサポート、10)家族・医療・教育の連携。2.開示時:1)場所・状況の設定、2)使用する言葉の選択、3)開示内容の調整、4)教師による翻訳と補足、5)クラスメートの理解の促進、6)誤解と過度の保護の回避、7)開示される子どもの心理的サポート。 開示に必要な子どもの知識には、制限の理由のみならず、可能性を広げる方法や、将来の身体や生命への予想される影響も必要であった。また、安心して開示できる環境を整えるには、子ども本人のみならず、学校の友人と教員の理解とサポートが必要であり、更に、医療と教育の連携のもと、インクルーシブ教育を促進していく必要があると考える。プログラムには、子どもの発達に応じた実感と可視化、小児期の子ども同士が理解し合える内容、将来を想定した内容を考慮していく。今後は、特に学校生活における友だちへの開示に焦点をあて、本邦の子どもの実態に即したプログラム構築に反映する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度はプログラム試行の予定であったが、研究進捗に伴う質的分析の結果、新たな知見と検討課題が明らかになり、より実践的なプログラムを再構築することとなったため、研究計画を変更する必要が生じた。現在分析・統合の段階にあり、当初の研究計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度はプログラム開発に向けて分析を統合し、プログラム案の骨子作成を加速する。プログラム開発を進めていくために、子どものライフスキル本邦の施策および新たな知見も反映し、子どものライフスキル育成に関して先駆的に取り組んでいる専門家の協力を得る。本研究体制をさらに拡充し強化することができる。2020年度は、本プログラム考案とプログラム試行に向けた展開を検討していくことが可能と考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:本年度はデータ分析と成果発表への支出となった。次年度にプログラム作成の経費を繰り越すこととした。使用計画:2020年度はプログラム作成が主な研究活動であり、分析・プログラム作成・試作の経費として物品費・旅費・人件費・謝礼に用いる。
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