研究実績の概要 |
本研究は性腺機能障害を有する思春期小児がん経験者の支援のためのガイドライン構築に向けた基礎資料を得ることを目的とした。国内外の文献検討、英国のサイコセクシュアルセラピストを招聘したシンポジウムの開催とインタビューの実施により、がん治療により性腺機能障害を来したがん経験者の問題及び支援体制について情報収集を行った。さらに、思春期がん患者・経験者の支援に携わっている国内の看護職を対象としたグループインタビューを行い、支援における困難や課題、多職種との連携体制及び支援システムにおける課題を明らかにした。本結果についてはThe 3nd Global Adolescent & Young Adult Cancer Congress(2018.12.Sydney)にて発表した。(Tomioka A, Kudo Y, Maru M:Perception of nurses on care for childhood cancer survivors with sexual and reproductive dysfunction) これらの結果より、最終年度は思春期小児がん経験者の性・生殖機能の障害に対し、妊孕性温存に関する意思決定の支援、性に関する教育と情報提供、将来の生活をふまえた心理社会的支援及び家族を含めた支援のあり方について言及したガイドラインの策定案を検討した。また、思春期がん患者・経験者を支援する看護職に対する教育支援を充実する必要があることが示唆されたことから、引き続き、専門職に対する教育プログラムの検討を継続課題とした。
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