研究課題/領域番号 |
16K12181
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
岩谷 久美子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (10435331)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 分娩介助 / 安全管理 / 教育モデル / アウトカム |
研究実績の概要 |
本研究は、教育者側と臨床側の現状をもとに安全管理能力を測定するアウトカム指標としてのツールを開発することを目的としている。 平成28年度の研究目的は、分娩介助の安全管理に必要不可欠な内容を抽出することであり、国内外の文献検討とともに、質的に面接調査するために計画書を作成し、倫理審査を受けた。教育者側と臨床側に同意を得て、1回目調査は、それぞれ10名ずつフォーカス・グループインタビューを実施した。グループインタビューは、2~5人の小グループインタビューを実施した。グループインタビューにより、分娩介助の安全管理に必要不可欠な内容をカテゴリー化した。2回目の質的調査も1回目の分析結果を開示し、グループインタビューを実施するつもりでいたが、研究参加者の日程調整が困難であったため計画を修正し、2回目の調査は、1回目の質的分析結果を提示し、郵送法にて内容の妥当性を調査した。 その結果、分娩介助の安全管理に必要不可欠な内容は、学生サイドでは「分娩介助技術が修得できている」「基礎的な知識を備えている」「感染防止行動ができる」「判断・予測する能力を備えている」「ヒヤリハットを活用できる」「チームの一員として行動できる」「報告・連絡・相談ができる」等12カテゴリーが抽出された。分娩介助の安全管理は学生のみならず、学生を支える指導者・教員サイドとして「安全な分娩介助ができる」「指導者としての能力を備えている」「指導方法を工夫している」「安全管理について段階的に評価する」「安全管理教育内容を統一する」「施設に応じた安全管理を行う」等7カテゴリー、教員サイドとして「調整役を果たすことができる」「学生の健康に気配りができる」のカテゴリーが抽出された。研究目的を達成するには学生をとりまく教育環境にも焦点を当てる必要があり、ツール開発につながる重要な結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の研究目的の達成度は、当大学における倫理審査申請システムの変更により、倫理審査に時間を要した。そのため、9月から12月にかけて分娩介助の安全管理に必要不可欠な内容について、1回目の質的調査を実施した。1回目のデータを分析した結果をもとに、2回目調査として、平成29年1月~2月に1回目と同じ参加者に郵送法にて内容の妥当性を確認した。データ収集はすべて終了し、分析にとりかかっており、国内外の学会において報告を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成28年度の分娩介助の安全管理に必要不可欠な内容として抽出された結果と、これまでの研究成果による分娩介助の安全管理教育モデルのアウトカム目標、助産学生のインシデント事例、文献等を参考資料として、分娩介助の安全管理能力を測定するアウトカム指標を作成するために質問紙を作成し、外部評価基準とあわせて量的調査によってその信頼性、妥当性を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の研究成果の発表および投稿を予定しており、平成29年度において使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
質問紙に関わる印刷費と質問紙調査に要する郵送代やデータの集計に関する人件費, 研究成果発表に要する費用、助産領域の研究動向の把握として学会への参加を行うため国内・国外旅費に関する費用を計上している。
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