研究実績の概要 |
本研究は,分娩介助の安全管理能力を測定するアウトカム指標としてのツールを開発することが目的である。 平成28年度は,教育者側と臨床側に分娩介助の安全管理に必要不可欠な内容を抽出するため質的調査を実施した。結果,学生サイドの必要な内容は「分娩介助技術が修得できている」「基礎的な知識を備えている」「感染防止行動ができる」「ヒヤリハットを活用できる」等12カテゴリーが抽出された。指導者・教員サイドとして「安全な分娩介助ができる」「指導者としての能力を備えている」「安全管理について段階的に評価する」等7カテゴリー,教員サイドとして「調整役を果たすことができる」「学生の健康に気配りができる」のカテゴリーが抽出された。 平成29年度は,前年度の結果からアウトカム指標(質問紙)を作成し,その内容や重複・表現,質問項目の理解しやすさ,フォーマットの見易さなどのプレテストや助産学教育の専門家より専門的知識の提供を受け,修正し質問紙作成に至った。質問紙の内容は,医療事故防止・安全管理行動について,感染防止行動について,倫理的態度(情報管理含む)について,安全管理・安全確保のチーム行動についての4側面73項目の「アウトカム指標」と,外部評価基準の「看護学生のリスク感性測定尺度」「マスタリー尺度」を加えた内容とし,郵送にて全国調査した。その結果,アウトカム指標は40項目5因子精選され, 【ハイリスクな分娩経過に伴う医療安全行動】【チームによる医療安全行動】【異常発生時の対応と予防的行動】【ローリスクな分娩経過に伴う医療安全行動】【専門職としての医療安全行動】と命名し,アウトカム指標を開発した。 平成30年度は,データ分析と投稿の準備を進めた。また今までの研究プロセスにおける成果を所属学会や海外における学会で一部発表した。 令和元年度は,海外における学会で一部発表し,現在論文投稿準備中である。
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