研究者らは、妊娠期から分娩期、および出産後の褥婦と新生児を診断するためのツールとして、「マタニティ診断」を作成し、マタニティ診断ガイドブックとして公表している。今回の研究では、妊娠期と産褥期の健康生活診断名・診断指標を全面的に見直すために、全国の助産外来および院内助産を実施している施設の助産師を対象として、2つの調査を実施した。 ①妊娠期の4類型と42項目の診断名、及びそれぞれの診断毎に作成した診断指標、②産褥期の4類型と42の診断名とそれぞれの診断指標であり、実際の臨床で活用できるかどうかを4件法で回答を求めた。 調査①は全国の助産外来実施施設で3年以上の経験のある助産師に、②は院内助産実施施設で3年以上の経験のある助産師を対象に実施した。①の有効回答数は106名、②の有効回答数110名であった。これらの結果をエクセルにて集計し、spssを用いて診断指標についてそれぞれに因子分析をかけた。その結果、基本的生活行動の診断名「運動・休息 良好」の診断名は、運動は動作と同じ因子となり、休息は睡眠と同じ因子として分析された。そこから基本的生活行動は、12の診断名から、10の診断名に整理された。同様な分析から、精神心理的生活行動は10の診断名から8の診断名に整理され、社会的生活行動は8の診断名から6の診断名に、出産育児行動は12の診断名から10の診断名に整理された。これらの結果を2019年に滋賀県で開催された第2回日本助産診断実践学会のワークショップで報告し、意見交換を行い、一部の表現を修正して新しい診断名と診断指標を作成した。 今後はこれらの結果を踏まえて、マタニティ診断ガイドブックの改定を行う予定である。
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