研究課題/領域番号 |
16K12183
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
三輪 与志子 聖隷クリストファー大学, 助産学専攻科, 助教 (10737828)
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研究分担者 |
久保田 君枝 聖隷クリストファー大学, 助産学専攻科, 教授 (40331607)
福岡 欣治 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (80310556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 妊孕世代 / BMI / 月経周期 / 妊娠 / 食事摂取 / 栄養バランス |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、20~30歳代の男女の妊娠に対する認識と食事摂取の現状を調査し、対象の背景別に「自分の身体と妊娠に関する認識」と「食事摂取」との関連を明らかにすることを目的として研究を行った。調査は①「自分の身体と妊娠に対する認識」に関する自記式質問紙調査、②ふだんの生活の中の連続した3日間の食事の写真を撮影し、食事内容を分析する食事調査を実施した。 質問紙調査は、企業・施設3ヶ所271名に質問紙を配布し、89名(回収率32.8%)を得た。そのうち有効回答は70名(男性2名、女性68名)であった。「自分は大変健康だと思う・健康だと思う」は58名(82.9%)、「あまり健康ではない・不健康だと思う」12名(17.1%)、女性で「自分の月経周期を把握している」は50名(73.5%)、「知らない・気にしたことが無い」は7名(12.1%)、「月経不順で予測がつかない」は11名(16.2%)であった。 食事調査においては、同意の取れた42名中15名(35.7%)の協力を得ることができた。質問紙上では、「栄養バランスを考えて食べている」は42名(60%)、「あまり考えていない」27名(38.6%)、「栄養バランスを考えたことはない」は1名(1.4%)であった。朝食の摂取状況は、「毎日食べる」46名(65.7%)、「週に4~5日食べる」15名(21.4%)、「週に2~3日食べる」3名(4.3%)、「ほとんど食べない」6名(8.6%)であった。 食事調査協力者のうち、25名分(男性2名、女性23名)の食事分析が終了した。男性のエネルギー摂取量の平均は1998kcal、女性の平均は1186kcalであった。たんぱく質・脂肪の摂取量が多く、乳製品の摂取が少なくカルシウム不足が懸念された。バランスよく食事摂取されている人は少なく、「妊娠に適した身体づくり」を考えると栄養の偏りが心配される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
企業を対象としたリクルートが課題であったため、対象の年齢幅を広げて大学生からも研究協力を求めた。しかし対象の年代は、質問紙調査の有効回答70名のうち、BMIふつう体格56名の80.4%が自己の体型に満足しておらず、やせたいと解答していることから痩身には関心があるが、健康に関しては関心が薄いと考えられる。また、本調査内容がプライバシーに関わり、特に性に関するアンケート内容であったため、理解と協力が得られにくいと考える。質問紙回収方法に関しては、直接研究者へ送付する郵送法に切り替え、Web上からもアクセスできるように変更したので、今後の反応を見ていく。
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今後の研究の推進方策 |
リクルート方法として、①健康診断(人間ドック)受診時に、直接紙面と口頭で説明をし、協力を求める。②企業・施設に対して、葉書で調査協力の意志を確認し、協力意志のある企業・施設へ説明を行うという方法をとる。質問紙回収方法に関しては、直接研究者へ送付する郵送法に切り替え、Web上からもアクセスできるように変更したので、今後の反応を見ていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象のリクルートが思うように進まず予定人数を下回っており、そのため人件費および対象者への謝金の支出が予定より少なかった。 今年度は、リクルート場所の追加を図り調査対象を増やし、計画に準じて執行できるように努力する。また食事調査の分析においては、第3回目の分析を依頼予定のため、分析費の支払いとしての経費を使用する予定である。食事調査協力者へ個別に結果を返すために、郵送料等を経費として使用する予定である。
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