研究課題/領域番号 |
16K12188
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
難波 知子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (30441489)
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研究分担者 |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 教授 (00319998)
岩藤 百香 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80612986)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 漏斗胸 / NUSS法手術 / 子ども / 学校 / 保健管理 / 養護教諭 / QOL / サポートブック |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,近年増加している,漏斗胸の手術を必要とする子どものための学校保健管理サポートブックを作成し提案することである. 本研究では,まず,文献検討・資料収集により子ども,親,養護教諭・教師の学校生活上の困難感を抽出・分析して学校保健支援プログラムを見出した.見出したプログラムは,手術前に活用する【胸郭変形の早期発見】【専門の医療機関に関する情報提供】【手術と復学に対する不安の軽減】の3つと復学後に活用する【合併症の早期発見と予防】【活動制限と必要な運動指導の判断】【ピア・サポート力の形成】【セルフケア能力を促す保健指導】【メンタルケア】【胸部打撲,心肺蘇生の際の救急処置】【バー抜去手術前後の管理】【医療機関との連携】の8つのプログラムであった.このプログラムは,研究計画に沿い,国内・国外の学会で発表し,医師や看護師等の医療関係者,養護教諭,学校保健研究者からの評価を得て修正をかけたものである.最終年度には,これら11のプログラム別の困難感に応じて活用できる24の内容項目と26の資料で構成された,全20頁の「胸郭異常(漏斗胸)のある子どもの困難感に対応した学校保健管理サポートブック」を作成し,全国都道府県の教育委員会学校保健担当者・日本医師会学校保健医・小児保健会,養護教諭連絡協議会及びNUSS法施術病院等300か所に発送した. 本研究の意義は,これまで着目されることのなかった胸郭異常の早期発見から専門医への受診指示,受診後の経過観察を含め,手術後の学校保健管理を支えることに関わる全員の共通認識の手段として活用できる資料を提示できたことである.研究成果を学校保健活動に活用することにより,胸郭異常のある子どもが学校生活を楽しく安全に過ごすことを保障し,結果としてQOLの向上に寄与できるものと考える.
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