研究課題/領域番号 |
16K12201
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
肥後 すみ子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (90320770)
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研究分担者 |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 入浴事故 / 高齢者 / 循環動態 / 起立動作 / 安全性 |
研究実績の概要 |
研究の目的:本研究は高齢者に多い入浴事故に対する予防策を考案し、その効果を検証することである。入浴時の循環動態が最も変動するのは、浴槽から出るときである。浴槽からの出浴するとき、一機に立ち上がると起立性低血圧、自律神経の乱れをはじめとした循環動態への影響が予想される。一気に立ち上がるのではなく一旦、浴槽内で椅子に座ることによって急激に変動を避けることができるのではないかと推測された。 そこで、2種類の起立動作(1段階起立動作法、2段階起立動作法)を設定し、その効果を生理的・主観的に検討する。当該年度は、2段階起立動作法で使用する椅子の検討を行った。湯を張った浴槽内で使用するため固定と起立動作しやすいものを選択する必要があり、群馬大学大学院理工学部の研究者と入浴時に安全性と人間の行動の最適化に関する検討を行った。その結果、水圧を受けるため最適化を検討するには限界があるとの意見に達した。現在、市販されている椅子で代用できるかを検討中である。 実験に関しては、研究計画書を本学の倫理審査委員会に提出したが、研究対象者を被験者とすることの問題を指摘された。研究代表者は、zennkiこれまで高齢者であり、人間を対象に実験する場合の安全性に関しては十分な対策を講じてきたが、さらなる検討を要するという内容であると理解している。再度、7月に行われる倫理審査委員会は、承認が得られるように計画書の見直しを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最大の理由は研究とは全く関係ないが、新しい授業科目(60時間)を担当することになり、その準備と実施に多くの時間を要したことである。また、新年度に入り研究代表者が所属する人員が10名から5名に欠員になり、その授業を担当し遁走しなければならない状況に陥ったことは大きい。そのような中、2か月に1回しかない貴重な倫理審査を受ける機会を逸したことが影響した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、7月に開催される倫理審査委員会に、再度、研究計画書を提出する予定である。審査結果で承認された場合、すぐに被験者を募集し実験を開始したい。具体的には、データ収集を8月~9月は猛暑の時期となるために避けて、10月から開始する予定である。データ収集は12月までとして、来年度1月から3月までがデータ整理と解析、次年度に学会にて公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、実験を開始できなかったためである。これらの主な経費は、自律神経計測器の購入と実験使用場所及び被験者の謝礼、データ整理の謝金、出張費であった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、今後の研究進捗で述べたように10月から実験を開始する予定であり、計画の遅れはあるが、確実に実行していく所存である。
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