研究課題/領域番号 |
16K12202
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
西田 乃生子 (山口乃生子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70381431)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ハンセン病回復者 / 終末期ケア / Quality of death |
研究実績の概要 |
本研究では地域に居住する高齢ハンセン病回復者の終末期におけるニーズと保健医療機関における終末期ケアの実際を明らかにすることを目的としている。明らかにする点は以下の3つである。1)高齢回復者の主観的な体験を通して身体的、精神的、社会的問題、死生観を明らかにし、終末期ケアにおけるニーズについて明らかにする。2)国立ハンセン病療養所の委託先医療機関に対する質問紙調査を通して回復者の受け入れ状況と支援の実際、他施設との連携等に関する実態を明らかにする。3)1)2)の結果から、高齢回復者が住み慣れた地域や住まいで尊厳ある死を迎えられるようなQuality of Deathの実現に向けた終末期ケアの方策をサービスの受け手側および提供する側から検討する。2018年度は本研究のまとめの段階にあり、本研究の根幹である人権とQODについて多くの研究者から示唆を得た。その一つとして、日本のハンセン病の社会問題や人権、生命倫理に造詣の深い米国の研究者を招き、特別講義「人生の最終段階における医療:米国の政策と実践-人権の視点から-」Theory and Practice of End-of-Life Care in the U.S: A Human Rights Perspectiveを開催した。講義では人権や生命倫理に関して多様な文化を持つ米国での終末期医療の実践を通してマイノリティへのケアのあり方を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では以下の点について、すでにデータを収集し、分析が終了している。 1)高齢回復者の主観的な体験を通して身体的、精神的、社会的問題、死生観を明らかにし、終末期ケアにおけるニーズについて明らかにする。 2)国立ハンセン病療養所の委託先医療機関に対する質問紙調査を通して回復者の受け入れ状況と支援の実際、他施設との連携等に関する実態を明らかにする。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、研究の包括として、昨年度までに実施した結果を基に、ハンセン病の高齢回復者が住み慣れた地域や住まいで尊厳ある死を迎えられるようなQuality of Deathの実現に向けた終末期ケアの方策をサービスの受け手側および提供する側から検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、研究期間を延長しているため、研究の総括を行い、学会発表や論文執筆のための費用に充てる。
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