研究課題/領域番号 |
16K12208
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (40582581)
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研究分担者 |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
藤野 あゆみ 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00433227)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知症ケア / 特別養護老人ホーム / ケア指標 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設)で療養する認知症高齢者に対し、看護師と介護士が実施している認知症ケアのプロセスに焦点を当てた認知症ケア実践を具体的に評価するための指標を開発することである。昨年度までにグループインタビューによりデータを収集していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、インタビュー調査によるデータ収集が困難となったことより、対象施設を介護老人福祉施設のみとして研究を進めた。看護師・介護士22名を対象にグループインタビューを行い質的に分析した。分析の結果、施設職員は認知症を有する高齢者と「親しみを持って程よい距離感での関係づくりにより信頼関係を礎としていた。ケアを提供する際には「様々な角度からその人らしさを探り接し方のヒントにする」ことを行い、「その人が穏やかな気持ちになる関わりを模索するケア」として、反応を確認しながら柔軟にその人に合ったケアを導いていた。また「慣れ親しみ居心地のよい環境を整える」ことや、「健康と安全を守る」支援が行われていた。家族への支援として、「家族と共にその人を支える」ことを行い、「職員同士が助け合い協働によりその人を支える」といった、家族や職種間連携で最良のケアを目指していた。終末期では、「家族とスタッフ全員の協働での終末期ケア」が行われていることが明らかとなった。 この結果を基礎資料として、認知症ケア指標の素案について、老年看護研究者、介護老人福祉施設の専門職者と検討し、指標素案55目を作成した。認知症ケア指標の開発のため、全国調査を1500施設(9000名)に実施している。調査内容は、対象者の基本属性として経験年数や所得資格、認知症ケアに関する研修会参加状況などであった。55項目の指標は、項目ごとで重要性と実施状況を7段階評価での解答を求めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年は、認知症ケア指標項目素案を確定させ、全国調査を行い認知症ケア指標の完成および信頼性と妥当性の検討を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの影響により全国調査の時期を調整したため、調査日程に遅延が発生した。また、回収率が悪く、調査用紙の追加発送を行っていることから調査表回収も遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、全国調査の調査表を回収して統計的分析により、認知症ケア指標を完成する。また指標項目についての信頼性・妥当性の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
認知症ケア指標開発のための全国調査を実施している。調査用紙の回収に伴う郵送料、調査データの入力費、希望者への研究成果報告書の発送費、論文投稿費が必要となる。
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