研究課題/領域番号 |
16K12215
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研究機関 | 日本赤十字秋田看護大学 |
研究代表者 |
山田 典子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (10320863)
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研究分担者 |
大山 一志 東京情報大学, 看護学部看護学科, 助教 (10707326) [辞退]
渡邊 智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20292005)
兵頭 秀樹 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30306154)
松橋 朋子 日本赤十字秋田短期大学, その他部局等, 講師 (30461718)
及川 真一 日本赤十字秋田短期大学, その他部局等, 講師 (50612678)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高齢者 / 受傷 / 肉眼的評価 / 画像評価 / カラーチャート・スケール / セルフネグレクト / 虐待 / 早期発見 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者の体表をカラーチャート・スケールで観察し、作成した観察記録を元に、早期介入の見極めが可能となるツールの開発を行うことである。調査は平成28年4月1日から平成31年3月31日まで実施した。最初にカラーチャート・スケールの試作と試用に取り組み、65歳以上の病院施設利用者で、打撲や擦過傷など体表の変色を伴うものを本人や家族の同意を得て10日程度連続で観察した。 結果、53名(女性40名:75.5%、男性11名:20.8%、不明2名)、平均年齢82.8歳(最小65歳~最高100歳)の協力が得られた。皮膚変色が観られた身体部位別は、「上半身」29件(54.7%)、「下半身」23件(43.4%)、「頭部」5件(9.4%)、であった。 「頭部」5件の内訳は、顔面3件、頭部と頸部であった。「上半身」29件の内訳は、「前腕」11件、「手首」8件、「手背」4件、「上腕」と「肘部」が各2件、鎖骨上窩、手指であった。「下半身」23件の内訳は、「足趾」7件、「膝部」6件、「足背」「仙骨部」「下肢」が各2件、膝の裏、大腿骨頭部、足首、踵部であった。皮膚変色の原因は「つまずいて転んだ」「夜間転倒」の3件以外は原因がはっきりしなかった。色の変化は、「赤・紫系~オレンジ系~黄色~消失」、「紫色~緑系~黄色~消失」の2パターンが確認できた。 高齢者では受傷の程度並びに部位により所見の発現に差が生じることが明らかになった。また、被験者並びに観察者による評価は個人差が大きく、肉眼的評価によるカラーチャートとの対比は主観が大きく影響することが明らかとなった。病院や介護施設で撮影された画像評価の数値化は汎用ソフトウェアを用いることでも可能であることが確認され、客観的評価につながる可能性が示唆された。抽出される数値データの評価方法が定まれば、画期的な評価基準策定につながる可能性が示唆された。
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