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2019 年度 実施状況報告書

脳梗塞の急性期治療を受ける高齢患者のせん妄リスクアセスメントツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K12217
研究機関共立女子大学

研究代表者

菅原 峰子  共立女子大学, 看護学部, 准教授 (70398353)

研究分担者 荒木 亜紀  共立女子大学, 看護学部, 准教授 (20438609)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード高齢患者 / 脳梗塞 / せん妄 / アセスメントツール
研究実績の概要

高齢脳梗塞患者のせん妄は二次的合併症の危険性と回復の遅延などの問題に波及しやすい。せん妄に対する看護において必要とされることは、短時間で高齢患者のせん妄リスクに関するアセスメントを評価し、有効な予防的ケアの実施に移行することである。しかし、せん妄のリスクが多岐にわたり、せん妄症状の発現が入院や手術を契機に急激に起こるという特徴を持つため、看護師がせん妄発症を予測し、予防策を講じることに困難な状況がある。医療技術の高度化、入院日数の短縮化により看護業務の煩雑さを増す臨床において効果的、効率的なせん妄リスクアセスメントツールの作成を目指している。
令和元年度は、リスクアセスメントツールの基礎となるせん妄のアセスメントに有効な観察項目を抽出するために「高齢脳梗塞患者の入院時における高度実践者のせん妄リスクアセスメントに関する観察」を実施した。老人看護専門看護師をはじめとする高度実践者6名にインタビュー調査を行った。その結果、脳梗塞の疾患、症状、注意力、短期記憶力などせん妄症状に関連する認知機能、身体の一般状態、不安や苦痛、入院前の生活リズムなど多岐にわたる観察点が明らかとなった。
この観察点からさらに、高齢脳梗塞患者のせん妄予防に資する観察点を抽出することを目的とした調査を実施した。対象者は関東地方の神経内科と脳神経外科を標榜し、100床以上、2次・3次救急を担う病院279施設に勤務する看護師で、神経内科、脳神経外科病棟に勤務する脳梗塞患者の看護経験5年以上または脳梗塞患者の看護をおこなう病棟にてリーダー業務経験がある者1395名であった。このうち有効回答数は274名(19.6%)であった。脳神経系の観察項目で重要性が高かったものは「意識レベル」「言語理解」「失語」等で、せん妄症状に関しては「見当識」「注意力」「脳梗塞の既往における入院中のせん妄の有無」の重要性が高かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究は第一段階としてせん妄リスクアセスメントに資する観察点を明らかにすること、第二段階として明らかにされた観察項目から実践上、重要度の高い観察項目を抽出すること、第三段階として実践上、重要度の高い項目から高齢脳梗塞患者の入院時におけるリスクアセスメントツールを作成し、実践での使用を考察することから成る。現時点では、第二段階のデータ収集後、COVID-19による学内業務への対応などにより、結果の取りまとめ段階であるため、研究の進度は遅れている。

今後の研究の推進方策

今後、第二段階の結果からリスクアセスメントツールの初版を作成し、実践者から臨床での使用に関する妥当性、実用性に関する調査を進める。

次年度使用額が生じた理由

三段階の研究のうち実施された研究が二段階目までの研究と、進捗状況に遅れが生じているため今年度に残額が生じている。
令和2年度は、三段階目の調査のため、調査にかかる旅費、データの取りまとめ委託費、調査結果の公表にかかる学会参加費、旅費、翻訳委託費として研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高度看護実践者にみる高齢脳梗塞患者の入院時におけるせん妄リスクアセスメントに関する観察2019

    • 著者名/発表者名
      菅原峰子、荒木亜紀
    • 学会等名
      日本看護科学学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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