研究課題/領域番号 |
16K12218
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤尾 祐子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (60637106)
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研究分担者 |
小平 めぐみ 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (00611691)
黒川 佳子 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (20637102)
小川 典子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (30621726)
古川 和稔 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (90461730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 栄養改善 / 多職種連携 / 教育 / ICT化 |
研究実績の概要 |
高齢者の「栄養改善」を目的としたICTプログラムに組み込む要素を明らかにするために、以下の2つの調査を実施した。 ①高齢者住宅に入居する低栄養リスクおよび低栄養状態の高齢者に栄養改善と運動プログラムによる介入調査を多職種連携により実施した。調査期間は2016年11月16日~2017年5月15日のため現在も継続中であるが、中間評価を2016年2月に実施し、調査結果を分析している。介入期間が冬季ということもあり、対象者の3割に体調不良を認めたが、体調良好者は食事摂取量が増加し血清アルブミン値も上昇した。また多職種連携によるアプローチはナラティブな要素を含み、体調不良による血清アルブミン値が低下した入居者であっても、精神的QOLの向上を認め、高齢者の「栄養改善」にはナラティブケアも重要な要素であることが示唆された。 ②47都道府県の介護保険サービスにおける「栄養改善」のケアプランの実態調査を実施した。調査期間は2017年1月1日~31日の1か月間とし無記名自記式質問紙による調査を実施した。 全国1880か所の介護保険サービスでのケアプラン作成者を対象に、「栄養改善」の情報収集項目とケアプランへの反映状況、またケアプランのICT化の実態について調査した。その結果、「栄養改善」のための情報収集において栄養状態の指標であるBMI、血清アルブミン値、食事摂取量の項目の有無と、サービス種別、栄養指標および栄養と高齢者の自立性についての教育や研修受講の有無について有意な関連性を認めた。ケアプラン作成者の看護師資格の有無とは関連を認めなかった。看護師を含めたケアプラン作成者への栄養改善教育や研修の必要性が示唆された。またケアプランのICT化については、ICT化されている事業所の方がケアプランの連動性や他機関との連携を認め、ICT化促進の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では初年度は「栄養改善」のケアプランについて実態調査を実施する予定であったが、実態調査の実施以外に、高齢者住宅への介入調査もパイロットスタディとして実施することができ、示唆を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
介入調査および実態調査の結果を分析し得られた知見から、介護保険サービスとそれ以外の高齢者ケアに従事するスタッフを対象に、高齢者の「栄養改善」に対する意識についてインタビュー調査を実施する予定である。また、これらの内容をプログラミングするための示唆を得るため、多職種連携におけるICT化の先進的な地域に国内外を問わず、現地に赴いて調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度に計画していた47都道府県の「栄養改善」に関するケアプランの実態調査の実施が、2017年1月となり、調査結果のデータ分析が年度内で終了せず、2017年度まで繰り越してしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
介入調査および実態調結果を分析し、学会および学術誌に掲載するための費用とする。またインタビュー調査や現地調査のための旅費、交通費として使用する予定である。
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