研究課題/領域番号 |
16K12218
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤尾 祐子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (60637106)
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研究分担者 |
小平 めぐみ 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (00611691)
黒川 佳子 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (20637102)
小川 典子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (30621726)
古川 和稔 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (90461730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 栄養改善 / 知識教育 / ICT化 / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
介護保険サービスにおける「栄養改善」のケアプランについて、ケアプラン作成過程とICT化に焦点をあて、日本の47都道府県にある介護保険サービスネットワークから2,000か所の介護保険サービスを無作為抽出し、ケアマネジャーを対象に無記名自記式質問紙による調査を実施した。ケアプラン作成過程の情報収集に含まれる割合が最も低い項目はAlb値、次いでBMIであり、栄養指標項目であった。また、栄養指標の有無と担当数、サービス種別、基礎資格での職種分類、栄養指標教育の有無と関連を認めた。さらに、ケアマネジャーの7割以上を占める福祉職の栄養指標が含まれない理由では、【情報収集の困難さ】が最も多く、次いで【栄養状態に対する知識と意識の低さ】であった。栄養指標教育の機会については【実務者教育】が8割を占め、【専門職教育課程】は2割であった。また、ケアプランのICT化の実態については、介護保険施設では190名(70.1%)、居宅介護支援事業所では406名(84.9%)が電子化されていると回答した。サービス種別とICT化との関連において、居宅介護支援事業所が有意にケアプランのICT化がなされていた。また、ケアプランの作成過程の連動、多職種との情報共有との関連においては、居宅介護支援事業所で有意に多職種と情報共有がなされていた。ケアプランの作成過程の連動においては、サービス種別との関連はみられなかった。サービス種別ごとのケアプラン作成過程の連動と共有との関連においては、両施設ともにケアプランの作成過程が情報収集から抽出された課題がケアプランまで連動している施設は、多職種との情報共有が有意にできていた。このような結果から、介護重度化予防を目的とした「栄養改善」のケアプラン作成のためには、栄養に関するケアマネジャーへの知識教育と、多職種連携のためのICT化の発展が必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の第1段階として全国47都道府県の介護保険サービスに従事するケアマネジャーへのアンケート調査を実施し、分析を終えて学会および論文投稿により社会発信した。さらに、この結果をふまえて、第2段階としてケアマネジャーへのインタビュー調査も実施し、現在結果を分析中であり、概ね当初の計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の第2段階であるケアマネジャーへのインタビュー調査結果を分析し、学会および論文投稿により社会発信していく。さらに、調査結果から示唆されたケアプラン作成と情報共有のためのICT化について、具体的方略の示唆を得るため、福祉大国でありICT化が進展しているフィンランドへ現地調査に赴く予定である。これらの結果を統合して最終年度として研究をまとめ上げ、今後の課題を明確化していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
全国47都道府県の大規模調査(2,000件)を実施したこと、それに係る印刷、郵送、データ入力等に費用を要したことによる。また、国際学会での発表にも経費を要した。
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