研究課題/領域番号 |
16K12223
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
藤川 君江 金城大学, 看護学部, 講師 (20644298)
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研究分担者 |
田中 康雄 浦和大学, 社会福祉学部, 准教授 (40635158)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 1人暮らし男性高齢者 / 消滅危惧集落 / 過疎・高齢化 / 離島 / 中山間地域 / 豪雪地域 / 地域ネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究は、消滅危惧集落で暮らす1人暮らし男性高齢者が最期まで自分らしい人生を全うできる地域支援システム構築のための具体的提案を行うことを目的としている。宮城県石巻市網地島は平成28年3月末時点で、人口363人、高齢化率73%であり人口減少と高齢化率は顕著である。消滅危惧集落で暮らしている、1人暮らし男性高齢者の生活課題と主観的幸福感調査を実施する。これらの結果から1人暮らし男性高齢者の生活課題と主観的幸福感との関連を考察することで、地域支援システム構築のための具体的な提案をする。 本年度は、網地島の1人暮らし男性高齢者6名の特徴を見出すため、総務省が過疎地域に指定した福島県三島町の1人暮らし男性高齢者5名と北海道中頓別町の1人暮らし男性高齢者8名に対しても生活状況の聞き取り調査を実施した。聞き取り調査項目は、1.現在の健康状態、2.受診状況、3.買い物に行く手段、4.生活で気をつけていること、5.生活で困難を感じていること、6.家族との交流頻度などについて半構成的面接を行った。半構成的面接の結果、福島県三島町と北海道中頓別町は豪雪地域であるため、冬の生活が困難であることや車の運転ができなくなることへの不安を強く感じていることがわかった。網地島の1人暮らし男性高齢者は、元遠洋漁業の漁師であることから車の運転免許を持っている人がほとんどいなかったが、不便を感じていなかった。今までは、家族や友人が近くにいなくても島で親戚が多く暮らしていたことでお互いに支え合っていた。しかし、島で暮らす親戚の人が減少しており、話をする人がほとんどいない状況であった。そのため、自宅でテレビを見て過ごす時間が多い状況であった。 次年度以降も引き続き、継続で聞き取り調査を実施する。平成29年度は、65歳以上の人を対象に主観的幸福感調査を実施し、1人暮らし男性高齢者の生活課題と主観的幸福感の関連を考察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
宮城県石巻市網地島は2009年から1人暮らし男性高齢者の聞き取り調査を実施しているため、継続で調査を行っている。福島県三島町と北海道中頓別町は、行政の保健師に調査研究の協力を得ることができた。1人暮らし男性高齢者への聞き取り調査が順調に進んでいる。以上のことから、研究の進捗状況はおおむね順調と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、引き続き聞き取り調査を実施する。聞き取り調査を逐語録に作成し結果を分析し、宮城県石巻市網地島、福島県三島町、北海道中頓別町の1人暮らし男性高齢者の生活課題を明確にする。同時に65歳以上の人を対象に主観的幸福感調査を実施し、1人暮らし男性高齢者の生活課題と主観的幸福感の関連を考察する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
宮城県石巻市網地島調査のため、石巻港まで行ったが、台風の影響で2回欠航となり、宿泊しないで帰ってきたことが理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
聞き取り調査と主観的調査を継続するため、旅費交通費に使用する。
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