研究課題/領域番号 |
16K12223
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研究機関 | 日本医療科学大学 |
研究代表者 |
藤川 君江 日本医療科学大学, 保健医療学部, 教授 (20644298)
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研究分担者 |
田中 康雄 浦和大学, 社会福祉学部, 准教授 (40635158)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 1人暮らし男性高齢者 / 消滅危惧集落 / 過疎・高齢化 / 離島 / 豪雪地域 / 孤立リスク / 地域ネットワーク / 生活課題 |
研究実績の概要 |
本研究は、消滅危惧集落で暮らす1人暮らし男性高齢者が最期まで自分らしい人生を全うできる地域支援システム構築のための具体的提案を行うことを目的としている。調査地は宮城県石巻市網地島、福島県三島町、北海道沼田町、北海道中頓別町の4地域である。平成29年度の4地域の人口と高齢化率は、宮城県石巻市網地島の人口355人、高齢化率71.3%、福島県三島町の人口1565人、高齢化率52.7%、北海道沼田町の人口3154人、高齢化率41.9%、北海道中頓別町の人口1797人、高齢化率38.2%である。平成28年の日本の高齢化率は27.3%と比較すると4地域の高齢化率は顕著である。特に宮城県石巻市網地島は高齢化率は顕著であり、消滅が危惧される集落であるため地域支援システムの構築が喫緊の課題である。 平成29年度は夏と冬の生活課題を明らかにするため、夏と冬に聞き取り調査を行った。同時に主観的幸福感についてもアンケート調査を行った。福島県三島町と北海道中頓別町、北海道沼田町の3地域は、総務省の特別豪雪地域に指定されている。夏の生活は困難を感じていなかったが、冬は積雪量が多く1日2回以上の除雪が必要である。対象者は80歳以上であるため、除雪が体力的に負担であった。除雪ができなくなったら、一人暮らしを継続することが難しいと考えていた。冬の生活支援が課題。また、過疎・高齢化地域であるため、公共交通の利便性が悪く通院と買い物に自家用車で行く必要がある。そのため、高齢であるため車の運転ができなくなることへの不安が強くなっていることが明らかになった。 平成30年度も引き続き聞き取り調査を実施する。同時に地域で高齢者を支援している保健師、民生委員、区長を対象にグループインタビューを行い、1人暮らし男性高齢者の生活課題を明確にする。そして、地域支援システムの構築に向けた具体的提案を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4地域の行政の保健師や高齢者担当職員の協力を得て、1人暮らし男性高齢者に継続調査を実施することができている。また、行政の職員と意見交換を行うことで1人暮らし男性高齢者の課題や対策なども知ることができた。それらの情報と調査で明らかになったことを元に1人暮らし男性高齢者の生活課題の明確化と地域支援システムの構築のための具体的提案に向けて考察を行っている。 主観的幸福感調査は終了しているため、統計的解析を行い1人暮らし男性高齢者の特徴を考察する予定である。以上のことから、研究の進捗状況はおおむね順調と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度も継続して1人暮らし男性高齢者を対象に聞き取り調査を実施する。また、地域で高齢者を支援している保健師、民生委員、区長を対象にグループインタビューを行い、1人暮らし男性高齢者の生活課題を明確にする。得られた結果を元に地域支援システムの構築に向けた具体的提案を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)調査で得た成果を論文化するため、論文要旨の英訳費と投稿料に使用する予定であったが、3月中に投稿することができなかったことが理由である。 (使用計画)論文要旨の英訳費と投稿料に使用する。
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