研究課題/領域番号 |
16K12230
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
久木原 博子 福岡大学, 医学部, 教授 (50268950)
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研究分担者 |
木村 裕美 福岡大学, 医学部, 教授 (00301359)
安藤 満代 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (10284457)
中嶋 恵美子 福岡大学, 医学部, 准教授 (30461536)
田村 美子 安田女子大学, 看護学部, 講師 (80521814)
有田 久美 福岡大学, 医学部, 講師 (60526523)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レジリエンス / 高齢者 / レジリエンス・トレーニング |
研究実績の概要 |
今年度は、本研究の目的の2つ目である、高齢者に対してレジリエンス・トレーニングを行い、心身両面への効果を調べた。心理面のアウトカムとしてはレジリエンス、抑うつ、不安、セルフコンパッションなどへの効果を調べ、身体面はMax Pulse/マックス・パルスを使用して自律神経活性度、疲労度、自律神経の均衡度、LF、HFなどの変化を調べた。また、ストループ検査を使用してレジリエンス・トレーニング前後の認知機能の変化を調べた。マインドフルネスとセルフコンパッションがレジリエンスと関連していること(Kathi,2015)と、有酸素運動が精神心理面へ効果があるという先行研究を基に、予定どおり、レジリエンス・トレーニングをマインドフルネスと有酸素運動とした。対象者は65~74歳の前期高齢者とし、平成29年の8月~9月にかけて、近隣の区役所、スーパー、公民館、老人憩いの家、公開講座などで募集チラシを配布して希望者を募った。対象者は予定の人数より不足し、対象者の群分けをランダム化できなかったが、レジリエンス・トレーニングはマインドフルネス群と有酸素群に分けて実施し、(レジリエンス・トレーニング)介入前後比較と群間比較で効果をみることにした。参加者は週1回のトレーニングを12回実施し、介入前、中期、終了後、フォローアップ期として4週間後の計4回を評価の時期とした。また、評価日はトレーニング前後でMax Pulse/マックス・パルスで身体面の変化を測定した。調査は平成30年度1月で終了した。現在、分析中である。結果の一部であるレジリエンス・トレーニング前後の認知機能の変化の分析は終了したため、平成30年6月に開催される、日本健康心理学会第31回大会で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は地域在住高齢者を対象としたレジリエンス・トレーニングの心身両面への効果を調べることであった。65~74歳までの地域住民を対象としたトレーニングを週1回、12週間実施した。その結果の一部は「高齢者へのマインドフルネスによる認知機能への効果-介入から3か月後の効果-」として平成30年6月に開催される、日本健康心理学会第31回大会において報告する予定である。平成30年1月に開催された21st EAFONS & 11th INCでは、レジリエンス関連の調査結果を「Relationship between resilience and mental health and family functioning among hemodialysis patients in Japan」のタイトルで発表した。この結果は、現在国際ジャーナルに投稿するために執筆中である。次年度はレジリエンス・トレーニングのプログラムを作成し、プログラムの実用性を検証する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は高齢者に対してレジリエンス・トレーニングを行い、心身両面への効果を調べた。今後は、調査結果を分析し、レジリエンス・トレーニングの効果を公表する。さらに、この結果を詳細に検討してマインドフルネスと有酸素運動がレジリエンス・トレーニングとして有効であるのか明らかにし、レジリエンス・トレーニングのプログラムを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度繰り越した助成金は、28年度に記載した使用計画通り、29年度の介入研究(レジリエンストレーニング)に資格を持ったインストラクターの雇用、参加者の謝金経費、生理的データを取るための機器の追加に充てた。 次年度の使用計画は、データ解析の結果を元にして、内容をまとめてプログラムを検討する。研究成果を国内外の学会で報告する。成果をまとめて学術雑誌に投稿する。
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