研究課題/領域番号 |
16K12234
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡田 佳詠 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60276201)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 教育 / 研修 / 看護師 / スーパービジョン |
研究実績の概要 |
今年度は、認知行動療法(以下、CBT)のスーパーバイザーに必要な知識やスキル、能力や資質等に関する国内外の文献をレビューし整理した。また2016年11月の第16回日本認知療法学会にて、看護師に対するCBT教育研修プログラムにおけるグループスーパービジョンの有用性と課題について発表した。そのなかで、それまでに実施したCBT教育研修プログラムのグループスーパービジョンの場が看護師にとって、エンパワーメントされるなどの肯定的な≪心理作用≫や≪対人相互作用≫をもたらし、≪他者からの学び≫を得て≪視野を広げる≫≪(CBTの)知識スキルの向上≫ができ、CBTの≪実践の促進≫≪実践の継続≫≪実践の向上≫につながること、またその背景に≪スーパーバイザーの効果的なかかわり≫≪適切な進行・運営≫があること、課題としては≪時間配分≫≪事例検討方法≫≪ロールプレイ≫≪スーパーバイザーのかかわり方≫が示された。さらに2017年2月に、スーパーバイザーがスーパーバイジーの面接スキルを評価する際に有用な認知療法尺度(CTRS)の評価方法について、認知行動療法の実践経験があり、看護師対象のCBT教育研修プログラムでスーパーバイザーの役割を担う看護師を対象に、研修会を開催した。これにより、スーパーバイザーとしての評価の視点が明確となり、スーパーバイザーの間での評価の一致度についても検討できた。以上のことから、今後作成する看護師対象のスーパーバイザー養成プログラムに必要な内容をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【今後の研究の推進方策等】に記した効果検証の準備のため、当初平成28年度に予定していたスーパーバイザーとスーパーバイジーへの面接調査は少し遅れる結果となった。しかし、効果検証に参加するスーパーバイザーに対して面接できることは、より経験を積んだスーパーバイザーへの面接を可能にするため、スーパーバイザー養成プログラム作成に有用な豊富なデータが得やすくなると予測される。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、まず平成28年度に実施したCTRSの研修会に参加した看護師に対して、文献レビューや研究成果等でまとめたスーパービジョンの概要・進め方等に関する研修を実施し、スーパーバイザーとして、「認知行動療法を実践する看護師へのグループスーパービジョンの効果検証(ランダム化比較試験)」の研究への参加を依頼し、スーパービジョン後に面接調査を実施する。スーパービジョンの際のかかわり方や心がけたこと、必要な知識やスキル、スーパーバイザー養成プログラムに含めるべき事柄などについて尋ねる。また、これまでにスーパーバイジーを経験した看護師にも面接調査を行う。効果的または非効果的だと思われたスーパーバイザーのかかわり方、スーパーバイザーに望むことなどについて尋ねる。これらの内容を質的に分析し、スーパーバイザーに必要な知識やスキル等の要素を抽出し、スーパーバイザー養成プログラムを作成する。平成30年度の前半までに2クール実施し評価する。
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