研究課題/領域番号 |
16K12236
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
辻村 真由子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30514252)
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研究分担者 |
石垣 和子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (80073089)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 家族支援 / 一人暮らし / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、わが国の在宅ケア体制および社会文化的背景を踏まえた訪問看護師による一人暮らし高齢者の家族支援指針を開発することである。3年計画で行う本研究の初年度である平成28年度は、(1)一人暮らし高齢者の家族支援に関する国内外の文献レビューと情報収集、(2)フィンランドおよびアイルランドにおける一人暮らし高齢者の家族支援に関する現地調査の実施、(3)訪問看護師による一人暮らし高齢者の家族支援の具体的内容と方法を明らかにするためのインタビュー調査の準備を行った。 (1)については、一人暮らし高齢者の家族支援および訪問看護師による家族支援に関する国内外の文献レビューを行い、高齢者の特性、地域の特性(ソーシャルクオリティ)、一人暮らし高齢者の家族支援について、療養期別に整理した。また、A県内の地域包括支援センター、訪問看護事業所、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所の職員、支援対象である高齢者、家族を対象として、在宅高齢者の安全・安心な生活に関する質問紙調査を行った。さらに、在宅ケア、高齢者看護の関連学会に参加し、本研究課題に関する情報収集を行った。 (2)については、フィンランドおよびアイルランドにおいて、一人暮らし高齢者の家族支援、ケアサービスに関するインタビュー調査を実施した。対象者は、看護職、介護職、医師、理学療法士、ソーシャルワーカー、メモリーナース(フィンランド)等であった。アイルランドのインタビュー結果については、平成29年度に開催予定の日本在宅ケア学会第22回学術集会に演題登録し、採択された。 (3)については、インタビューの対象者となる訪問看護経験5年以上で一人暮らし高齢者の家族支援の経験を有する訪問看護師(訪問看護認定看護師、訪問看護ステーション管理者等)のリスト作成等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度は、訪問看護師を対象としたインタビュー調査を開始することを目指していたが、準備までとなった。その理由は、当初は一人暮らし高齢者の家族支援に関する現地調査をフィンランドで行うことを予定していたが、フィンランドに加えてアイルランドの大学研究者との共同研究が開始し、アイルランドでも現地調査、情報収集が可能となったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
開始が遅れた、訪問看護師による一人暮らし高齢者の家族支援の具体的内容と方法を明らかにするためのインタビュー調査については、教育業務との兼ね合いを見ながら集中的にインタビューを実施する。インタビュー調査に続く、訪問看護師による一人暮らし高齢者の家族支援指針案の作成、修正デルファイ法を用いた指針案の洗練については、研究補助者の雇用によるデータ整理、検討会議(エキスパートパネル)に参加する熟練看護師の候補者リストの早期の作成により、研究の推進を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
訪問看護師による一人暮らし高齢者の家族支援の具体的内容と方法を明らかにするためのインタビュー調査の開始が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、訪問看護師を対象としたインタビュー調査のための、交通費、謝品に使用する。
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