本研究の目的は、訪問看護を提供する看護師が、どのように法制度にない看護ニーズを把握し、そのニーズに対応する実践をして、社会課題の解決に結び付けていくのかを可視化することであった。そのため、全国の訪問看護事業所への質問紙調査による実態把握と看護師への面接調査で語られた経験から、退院や受診の支援による医療への円滑なアクセス、就学や介護福祉サービス利用のための社会生活の成立、旅行などの生活の質向上のため、神経難病などの疾患で医療処置管理の必要な訪問看護の利用者に対して看護が実践されていた。その手法は、居宅外で発生するリスク対策や実践の効果を予測する熟練した看護実践能力や技能が求められていた。
|