介護施設のない3小離島において、島内で在宅介護し看取る要因について質的に研究した。介護経験プロセスの解析から、高齢者との親密な絆、島内生活継続意志、親族からの介護支援と介護代行、高齢者の安定した病態の4要因が明らかになった。介護サービスの乏しい中で高齢者の介護と看取りを引き受ける主介護者の信念や協力する親族の存在が重要であった。 また地域包括ケアシステム構築に係る関係者の経験プロセスから、要介護高齢者の本島への移動、住民気質に応じた取り組み、医療介護資源の不足、目標不明の連携が確認された。政府は小離島の特性を踏まえた地域包括ケアシステム構築の目標と方法を示す必要がある。
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