研究課題/領域番号 |
16K12249
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
大脇 由紀子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (30765392)
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研究分担者 |
吉本 尚 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80608935)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アルコール依存症 / アルコールの有害な使用 / アルコール使用障害 / SBIRT / 看護師 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①アルコール依存症や有害な使用などのアルコール使用障害の患者を早期に発見し、適切な介入や専門治療につなげるアプローチ(SBIRT)を、総合病院の看護師が導入・実践するための教育プログラムを作成することである。また、②教育プログラムの効果を検証し、SBIRTの導入を促進・阻害する要因と課題を明らかにすることを目的とする。 平成28年度は、目的①に該当する教育プログラムを作成し、研究協力機関(一般病院)におけるプログラムの実施に向けて、研究代表者所属機関の倫理委員会の審査を受け、研究許可の承認を得た(承認番号 28055)。 教育プログラムの主な内容は、アルコール依存症と使用障害の定義と実態、飲酒の心身への影響および健康障害、早期介入により期待される効果、アルコール依存症と診断されるまでの患者の体験談、回復した患者の例、SBIRTの資料と動画教材、病棟などにおけるSBIRT導入の方法、導入に「取り組む理由」、「取り組まない理由」のグループワーク等である。また、アルコール健康障害とSBIRTに関して、看護師に必要な専門知識を総説にまとめた。 さらに、研究協力機関(一般病院)の看護部門に、研究の協力およびプログラムの実施について説明を行い、導入しやすいSBIRTの資料の検討と、研究協力機関の倫理委員会で承認を得る手続き、教育プログラムの実施時期(前期実施群、後期実施群)の調整を行っている。 SBIRTの教育プログラムの作成と、導入しやすい資料の検討は、看護師へのSBIRTの教育と普及の一助になり、アルコール使用障害の看護の質の向上に寄与し得ると考えられる。 また、教育プログラムの実施は、SBIRT導入を促進する知識と技術、自信度と導入の動機づけを向上させると予測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、総合病院の看護師を対象としたSBIRTの教育プログラムを作成し、研究協力機関(一般病院)におけるプログラムの実施に向けて、研究代表者所属機関の倫理委員会の承認を得た(承認番号 28055)。 さらに、研究協力機関(一般病院)の看護部門に、研究の協力およびプログラムの実施について説明を行い、導入しやすいSBIRTの資料の検討と、研究協力機関の倫理委員会で承認を得る手続きを開始している。 教育プログラムの実施とSBIRT導入後のインタビュー調査は、研究協力機関の倫理委員会の承認後、29年度内を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに研究協力機関を増やし、教育プログラムの参加者と研究協力者を増やす方向で検討している。 29年度内に、新たに1施設の研究協力機関の開拓を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力機関および研究分担者との打ち合わせ等の出張が、予定より少ない状況であった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度(29年度)は、研究協力機関における研究活動(プログラムの実施、インタビュー調査)が増えるほか、研究協力機関も増やす方向で検討しており、学会発表も検討している。次年度使用額は、出張に伴う旅費として、使用する計画である。
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