研究課題/領域番号 |
16K12250
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
戸村 ひかり 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 客員研究員 (20611304)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 退院支援 / 看護 / 学生教育 / 教員 / インタビュー調査 / 病院 / 質問紙調査 |
研究実績の概要 |
看護系大学の学士課程における退院支援に関する教育の具体的な内容を明らかにすることを目的に、退院支援の教育に携わっている教員を対象として、昨年度の3校に加え、本年度はさらに3校(公立大学2校、私立大学1校)の教員にインタビュー調査を実施した。その結果、3大学とも退院支援に関して授業から実習へと系統的に学べるように教育体制を整えており、特に学内での講義や演習において大学や地域の特徴を活かして様々な工夫をしていた。例えば、退院支援に関する授業について、D大学とE大学は在宅看護の教員が担当する科目の授業時間に行っていたが、D大学では、地元の在宅医療・看護体制が充実しており、訪問看護などの経験が豊富な人に外部講師を依頼し、授業で退院支援や在宅看護の実践例などを話してもらっていた。E大学では、難病患者の事例について、学生に退院支援看護師や訪問看護師の立場になってもらい、入院中や退院前合同カンファレンス、退院後の訪問看護の場面などを設定して、対象者との面接のロールプレイや看護過程の展開を行い、入院中から退院後までの継続看護をイメージできるようにしていた。また、F大学では、成人看護と在宅看護の教員が退院支援に関する教育を行っており、1年次の成人看護学概論の1コマで退院支援の概要を講義するなど、学生がより早期から退院支援等に関心をもてるようにしていた。本研究で明らかにした看護系大学6校の退院支援に関する具体的な教育内容は、他の看護師養成機関が退院支援の教育体制を整備・改善するのに参考にできると考える。 また、本年度において、全国の一般病床100床以上の病院2555施設を対象に、退院支援体制の整備状況や、看護学生の退院支援実習の実施状況を明らかにするため、2019年1月に質問紙調査を行った。705病院から返送があり、解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年4月の診療報酬改定において退院支援に関する報酬が新設され、多くの病院が退院支援の体制を変更したことが予測された。各病院の体制が定着するまで一定の期間をあける必要があり、病院を対象とした退院支援に関する質問紙調査を2019年1月に実施した。データ解析や研究成果の公表のために補助事業期間を1年延長したが、研究は問題なく進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2019年1月に実施した病院の退院支援に関する全国調査の解析を行う。また、これまで実施した退院支援の学生教育に関する研究の成果について、国内の学術集会での発表や学術誌への投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用額が生じた理由と使用計画) 2019年1月に実施した病院の退院支援に関する全国調査の解析を行うにあたり印刷費等を要する。また、本研究の研究成果について国内の学術集会での発表や学術誌への投稿を行う予定であり、そのために次年度の使用額が生じた。 (使用計画) 病院の退院支援の全国調査の解析と、研究成果の発表・報告のための費用代として使用する予定である。
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