研究課題/領域番号 |
16K12252
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
森 みずえ 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (50317070)
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研究分担者 |
渡部 節子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80290047) [辞退]
竹熊 千晶 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (20312168)
金嶋 祐加 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80513986) [辞退]
船越 和美 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40461636)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 要介護高齢者 / 口腔ケア / 肺炎予防 / 実践者 / 困難技術 / 課題 |
研究実績の概要 |
本研究は、在宅訪問看護において肺炎予防に効果的な口腔ケアを要介護高齢者に提供するため歯科専門職との連携による教育プログラムを開発、その成果を検証することを目的とする。昨年度は、本研究のフィールド変更後の「熊本県における在宅口腔ケアの実態調査」の結果から、実際の口腔ケア内容(時間、技術、教育の不足)と多職種連携状況(歯科医は定期、歯科衛生士は連携無)、地域ニーズ(歯科治療は良好、口腔管理は不足)などの課題を踏まえて分析、これまで作成した教育プログラムを追加修正した。また、他職種連携の主たる教育支援者である歯科衛生士を研究協力者に迎えIT機器を使用した実践的な介入テキストを作成した。2019年度は最終年度のため、歯科衛生士による実践教育プログラムとして①口腔アセスメント教育 ②口腔ケア困難技術教育(IT機器使用)とその効果の検証を目的として教育介入を行う予定であった。6月、研究協力施設の訪問看護師を対象のグループ教育で、①「口腔アセスメント教育」を企画、その活用性について在宅看護教育研究者および介護老人施設の責任者と内容を分析し有効性について検討したところ「現状では看護職者による口腔ケアは実践不足」と「時間・報酬の不足」により実質効果が見込めず、「在宅の口腔ケアの担い手は介護職者に移行」「介護職者の口腔ケア教育への課題解決が優先」との認識が示された。そのため教育対象者の変更に関する追跡調査、介護職者を対象とする場合の教育内容・方法の変更が必要となった。真に「肺炎予防に効果的な口腔ケアを要介護高齢者に提供する」ためには、介護職者による口腔ケアの現状、知識・技術・教育ニーズと課題の調査結果を根拠としたプログラム修正が必要である。まずは介護職者を抱える訪問看護施設に依頼し研究協力の依頼したが、12月調査の予定は延期となり新型コロナ感染症流行の影響で調査は未定、現在、進行が滞っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
フィールド変更による遅れのみでなく、目的にかなう研究成果をあげる為には教育介入の対象者を拡大する必要性があり、その根拠を得るための調査や対象確保のための交渉が新型コロナ感染症の流行により停止している。また、介入方法も変更を余儀なくされている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は新型コロナ感染症の流行により協力施設確保の困難が予想される。現在、協力可能との回答があった訪問看護ステーション・ホームホスピスの看護師・介護職者および施設管理者に調査を行う予定としている(6~7月中)。この施設は、歯科連携およびスタッフの口腔ケア技術・教育が推進され肺炎発症数が少ない施設である。この施設のスタッフによる口腔ケア実態・歯科衛生士による技術教育と要因についての質的調査の結果をもとに、これまでの介入計画の修正・見直しを行う。可能であれば、12月以降、他の訪問看護施設(以前了解を得られていた施設)の協力を得て介護職者の技術教育について第Ⅰ段階を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度より全体計画の遅れが生じており、その背景には勤務地異動によるフィールドの変更に伴う再調査があり、追加使用額が生じた。また、第一段階の介入前に、研究対象者を変更・拡大する必要性が生じた。また、本年度末の新型コロナ感染症流行により介入・調査が停止してしまい、本年度中の研究が実施できなかった。そのため、次年度に向けて調査可能な施設に研究協力を依頼したため、また教育介入の主たる実践者として研究協力者の歯科衛生士双方への謝礼が生じる。今年、教育方法の大きな変更としてe-Learningを導入する為、IT機器の追加購入が必要となる。
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