研究課題
本研究は、摂食障害の家族が家族会に参加し孤立感が軽減し自己効力感が増すことで、家族システムの悪循環が改善され、結果的に患者の摂食障害症状改善に結びつくことを検証することを目的とするコホート研究である。現時点で集まっている母親の初回調査の横断的データから家族会の母親への影響を探索した。方法:摂食障害と診断された患者とその母親を対象とし、アンケート調査を行った。母親へのアンケート内容は、年齢、続柄、家族会参加の有無と年数、親自身が摂食障害の罹患経験があるかどうか、夫婦(家族)で協力して対応できているかどうかの主観、家族以外にサポートしてくれる人がいるかどうかとその人数、及び以下の内容を心理尺度を用いて測定した。①自己効力感(一般性セルフエフィカシー尺度) ②孤独感(UCLA孤独感尺度) ③ソーシャルサポート(Social Provisions Scale-10) ④抑うつ感(BDI-II) ⑤傾聴力(積極的傾聴態度評価尺度) ⑥不安抑うつ感(K6尺度)。統計解析は、相関解析、t検定を用い、有意水準はP<0.05とした。結果:回答の得られた72名のデータの解析を行った。その結果、母親は、サポートされている実感がある群はない群に比べ、抑うつ・不安感が低く、他人の話をより傾聴できる傾向があった(t検定、BDI-II:P=0.031, K6尺度:P=0.013, 積極的傾聴態度評価尺度:P=0.043)。母親の家族会参加経験の有無と母親の行動との関係では統計的に有意な関係はみられなかった。
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BMC Psychiatry
巻: 18 ページ: 207
10.1186/s12888-018-1788-6.