研究課題/領域番号 |
16K12261
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
越智 百枝 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授(移行) (40270053)
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研究分担者 |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師(移行) (70270056)
坂元 勇太 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, その他 (30761241)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アルコール依存症 / 家族 / 教育支援プログラム / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、アルコール依存症者の家族の支援プログラムの開発である。 2012~2015年度科研費基盤研究(C)課題番号24593480の助成を受け、開発した支援プログラムのマニュアル試案を用いて、アルコール依存症者の家族10名を対象に行った2コース、2016年にアルコール依存症者の家族3名を対象に行った1コ-ス、計3コースのプログラムの実施状況及びその評価を踏まえ、マニュアルの洗練化を行った。 マニュアルを作成するプロセスで課題となった点は、①基盤理論であるソリューション・フォーカスト・アプローチ(以下、SFAと略す)についてプログラム実施者にどの程度の知識や技術を求めるか②SFAの特性上、プログラムの構造化が難しい中で、実施者が運営できるマニュアルとするためにどのような内容を盛り込むか③1コース3回のプログラムの各回で、プログラムの目標のどの部分に重点を置いて達成するか④自己否定感や無力感が強い家族に対してどのように内在する力に気づいてもらうか⑤他者の変化を期待しやすい家族にどのように自分自身に焦点を当てた解決像を構築してもらうかなどが見出された。その課題をクリアするための内容や工夫について研究者間で検討を重ねマニュアルを洗練し標準化した。 また研究成果の発信としては、今年度は、「アルコール依存症者の家族の教育支援プログラムの開発に向けて 先行知見の文献検討」と、2014~2015年度に実施した支援プログラム2コース分、計10名の対象のデータ分析を行い、「アルコール依存症者の家族への教育支援プログラムの評価」について学会報告を行った。「アルコール依存症者の家族の支援プログラムに関する文献検討」については論文として報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度計画していたマニュアルの洗練化を行い標準化することができたことと、今後のプログラムの実施に協力していただける研究協力施設の内諾を得られていることから順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、マニュアルを用いて、アルコール依存症者の家族支援を行っている専門職に家族役を担ってもらい、試行して、マニュアルの適切さ、使いやすさ、改善点などについて意見を聞き、最終調整を行う。 その後、既に内諾を得ている愛媛県の研究協力施設で、対象者を募り、研究協力施設のスタッフにマニュアルを使用してプログラムを実施していただく。加えて、1コースのプログラムの対象が3~5名であるため、プログラムの評価を行うには、対象数が少ないため、愛媛県下の他の保健所や保健センターに研究協力施設を数か所募り、プログラムを実施する。上記より、プログラムの評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内にWEB会議システムが導入されたため、研究打ち合わせに計上した旅費が不要になったことと、データ収集に計上した旅費が旅程の変更があり、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度の当初計画に加えて、標準化したマニュアルを使用して、数か所の研究協力施設でプログラムの実施・評価を行うこととしたため、残額はその費用に充てる。
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