研究課題/領域番号 |
16K12266
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
竹生 礼子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (80433431)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地域特性 / 住民参加 / 在宅療養者 / 生活支援 / がん患者 / ボランティア / 在宅ホスピスケア |
研究実績の概要 |
本研究目的は、研究者が先行研究にて開発した「在宅がん療養者に対する住民参加型生活支援システム(以下CPL-CCP system:Community resident Participating Livelihood support system for Community-dwelling Cancer Patients)を、他の人口規模が異なる中都市及び人口1万人未満の2地域で運用し、評価・修正することであり、地域特性によらない普遍的な運用方法を明らかにすることである。研究は、全4段階で計画しており、平成28年は第1段階として、介入地域の選定を行った。 4段階とは、1)第1段階:介入地域の選定と地域特性の調査、2)第2段階:選定した2介入地域において、先行研究において開発したCPL-CCP system の運用、3)第3段階:介入の評価、4)第4段階:CPL-CCP system の評価の総括とシステムの修正 である。 本年度は、北海道内の中規模都市(人口15万人未満)と人口1万人未満の2箇所の市町村の選定作業に着手した。うち、中規模都市では、人口規模、介入可能性から、ほぼ介入地域を決定可能であった。地域の緩和ケア病棟をもつ医療機関およびボランティア組織の関係者と交流をもち、活動の調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、平成28年度末までに、中規模都市と人口1万人未満町村の2つの介入地域の選定と当該地域の関係者に対する調査を行う予定であった。また、地域内のキーパーソン、ステークホルダーの調査、プロジェクトの交渉、地域の視察、地域の関係者との打ち合わせまですすめることを目標にしていた。 このうち、実際に進捗したのは、中都市1地域の選定と、関係者との打ち合わせまでであった。進行が遅れた理由は、100箇所程度ある北海道内のうち小規模地域の選定町村の候補が複数あるため、下調査や関係者への内諾作業に時間がかかっていること、結果、中規模都市での進行と合わせるために、中規模都市での介入のスピードを意図的に抑えていることが挙げられる。 しかし、全体計画としては、予期していない大きな問題は発生しておらず、今後、人口1万人未満の介入地域を選定した後には、計画通り研究の段階を進めることができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、平成28年度に計画していた残っている課題の達成と、予定していた研究計画を予定通りすすめる。 第1段階の、介入地域の選定のうち、人口中規模都市は、具体的な地域が決定しており、関係者との打ち合わせの段階となっているため、次の手順として、地域内の関係者の調査、キーパーソン。ステークホルダーに対する調査、住民組織や医療専門職との調査を行う。人口1万人未満の地域では、具体的な地域の選定を終えること、その後上記人口中規模と同様の地域の関係者との具体的な打ち合わせ、調査を行う。 次に、第2段階のCPL-CCP システムの運用を開始する。システムの運用を進める上で、地域の関係者および住民との打ち合わせを十分に行う。本研究の目的は、システムの運用を計画どおりにすすめることを第一の目標とするのではなく、地域の特性に合わせたシステムとは何かを常に検討すること、進行のプロセスを詳細に記述することを目標にすることである。予期しない課題も、研究結果として記述し、対応策を介入地域の関係者及び住民と検討することを留意する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に実施予定であった、介入2地域での関係者との打ち合わせ、関係者及び住民に対する調査を平成29年度に繰り越して実施することとした。したがって、2地域の視察(北海道内2箇所)、研究対象の関係者との打ち合わせ・調査のための交通費、および調査のための印刷代・郵送代・謝礼、調査データの分析にかかる費用、地域での調査結果の中間報告のための会場費・資料費用等を平成29年度内に支出する計画とした。
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次年度使用額の使用計画 |
進行が遅れていた平成28年で実施する予定であった研究を平成29年度に加えて遂行するため、平成29年度に繰り越した研究費を使用する。物品費、旅費、人件費・謝金、その他について、以下のとおりである。1)旅費:2地域の視察(北海道内2箇所)、介入2地域での関係者との打ち合わせ、関係者及び住民に対する調査のための交通費、結果の中間報告のための交通費、学会等公表にかかる旅費、2)人件費・謝金:介入2地域の研究協力者に対する謝礼、調査データの分析にかかるデータ入力等アルバイト費用など、3)物品費・その他:調査のための印刷代・郵送代・謝礼、地域での調査結果の中間報告のための会場費・資料費用
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