研究課題/領域番号 |
16K12271
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
根岸 貴子 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (40709250)
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研究分担者 |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
柴田 滋子 淑徳大学, 看護栄養学部, 講師 (90622077)
加藤 千恵子 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (50369865)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 介護準備 / 尺度開発 / 男性高齢者 / 男性介護 |
研究実績の概要 |
介護準備態勢尺度の質問紙調査後、分析対象は274部(有効回答率:72.7%)とした。 対象者の年齢は、平均73.09歳(SD=6.16)であった。記述統計から天井およびフロア効果を確認し、介護経験の1項目にフロア効果がみられ除外した。I-T相関分析では、1項目が相関係数.204と低かったため、削除し分析対象を23項目とした。23項目において、最尤法・PromaX回転による因子分析にて複数回行い、因子負荷量が低い(0.4未満)、因子負荷量が2因子にまたがる質問8項目を削除し、分析を繰り返した結果、4因子17項目の尺度を作成した。回転前の4因子の17項目の全分散を説明する割合は63.0%であった。因子の解釈は、第1因子「夫婦の愛情」、第2因子「家事遂行力」、第3因子「介護に関する知識」、第4因子「助け合う仲間の存在」と命名した。尺度全体のCronbach’sα係数は全項目でα=.85であり、内的整合性が確認した。 基準関連妥当性として、愛情尺度、認知症家族の介護に対する感情尺度との関連は弱い相関から無相関に近い値であった。暮らし向きについて、一元配置分散分析にて、因子1~4の全てに、有意な暮らし向きの主効果がみられた。主観的健康感についても、因子1と因子4において、有意な主観的健康観の主効果がみられた。 男性高齢者の介護準備態勢には、要介護者を思いやる愛情が前提にあり、介護に関する知識を活用すると共に家事を遂行していくこと、介護ストレス解消に向けて、地域やソーシャルネットの支援を活用していく必要性が示唆された。比較的ゆとりがある群は、十分にゆとりある群より介護について他者に対する配慮がゆき届きやすい層であるととらえることができた。暮らし向きと主観的健康感においては一定の妥当性が検証された。 本尺度は、男性高齢者が介護準備について、自己評価する尺度として活用することが確認された。
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