研究課題/領域番号 |
16K12274
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
立石 彩美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (00514861)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | マインドフルネス / 看護師 / うつ病患者 |
研究実績の概要 |
今年度は、精神科病棟の看護職を対象に実施するマインドフルネス研修のプログラム内容について、既に様々な対象者に用いられているマインドフルネス・ストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction:MBSR)やマインドフルネス認知療法(Mindfulness-based cognitive therapy:MBCT)のほか、日本の坐禅や禅の教え、チベット仏教の瞑想、仏教の瞑想を取り入れた終末期医療に携わる医療スタッフのためのプログラム(GRACEプログラム)などを参考にし、看護職が日常に取り入れやすく、効果のある本質的な方法について、文献や研修会などに参加し情報収集した。マインドフルネスの瞑想には、現在、様々なやり方があり、評価や判断をせずに、今この瞬間に注意を向けていることで得られる気づきを深めるものであることは同じであるが、呼吸や体の感覚に意識を集中することに重点をおいているもの、注意を全体に拡げ、今起きていることに気づいていく瞑想をしっかりと行うもの、五感や、思考について観察していき、気づきを深めていくもの等があり、やり方によって自分自身への影響も変わることが考えられた。また、近年、マインドフルネスの研究が進む中で、コンパッションという概念が注目され、日本語では慈悲と訳されたりするが、瞑想による気づきにより生まれてくるものであり、看護職においても重要な概念である。自分自身に対するセルフコンパッションを育み、看護をする相手にも、コンパッションをどう活かして関わるか、研修の中でどのようなワークを取り入れるか検討した。研究計画を確定し、対象施設の病院に研究の依頼をし、倫理審査委員会への申請や実施スケジュール、対象者の検討、対象者の募集方法、研修実施の場所の検討などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、対象者に実施する研修の内容について、先行研究や様々なマインドフルネスのプログラムの情報から検討した。対象施設の選定を行い、研修内容について吟味し、研究計画を確定し、対象施設の病院に研究の依頼をし、倫理審査委員会への申請や実施スケジュール、対象者の検討、対象者の募集方法、研修実施の場所の検討などを行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、対象施設の倫理審査委員会にて承認を受け、対象施設の看護部その他の部署と相談をしながら、研究内容に関心のある対象者を集め、研究内容の説明と研究参加への同意を頂き、実施する研修の日時、場所について、対象者の看護師の方が参加しやすいように検討し、決定していく。対象者が脱落せず、継続して研修に参加できるように、個別にサポートするなど工夫していく。研修終了後、日程の都合がつく対象者から、インタビュー調査を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、マインドフルネスに関する情報収集や対象施設への交通費等のために旅費を計上したが、研修会の参加にあまり旅費がかからず、対象施設に行く回数も予定より少なく、次年度使用額が生じた。また、実際に研究で実施する研修で必要な物品を購入する計画で予算を立てていたが、対象施設の倫理審査が通った後に、具体的に必要な物品等を購入したほうが、実際の必要数などがはっきりするため、予定を変更したために次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度、対象施設における倫理審査委員会において研究計画が承認され、看護部と具体的な実施スケジュールについて調整ができ、対象者の人数が把握出来次第、研修における必要物品などを購入していく。また、研修内容をさらに対象者に合わせたより良いものにしていくため、引き続きマインドフルネスに関する研修会等に参加し、情報収集を行っていき、必要な文献なども購入し、次年度使用額を支出させて頂く計画である。
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